研究概要

涙や唾液などを分泌する「外分泌」という生命現象は、涙腺や唾液腺といった「外分泌腺」が担っています(図1)。私たちの研究室では、この外分泌の仕組みを解明し、ドライアイやドライマウスといった症状の根本的な治療法開発を目指しています。
Salivary glands そのために、外分泌機能が低下する疾患モデル動物であるNon-obese diabetic (NOD) マウスに着目しています。このマウスの涙腺や唾液腺について、疾患の発症前後や健常な対照マウスとを比較解析する(図2)ことで、外分泌機能が失われるメカニズムを明らかにします。

NOD strategy

研究背景

ドライアイやドライマウスは、多くの人々が悩む症状ですが、その治療は対症療法が中心であり、根治的な治療法は確立されていません。その大きな要因として、外分泌機能が損なわれる詳細なメカニズムが、まだ十分に解明されていないことが挙げられます。
研究に用いられるNODマウスは、自己免疫によって涙腺や唾液腺に慢性炎症が生じ、涙や唾液の分泌量が低下することが知られています。このため、ヒトの乾燥症状と類似した病態を解明するための、優れた疾患モデルとして世界中で活用されています。

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