100円ラジオとLMF501Tを利用した、
エアバンド(航空無線)受信機の製作


100円FMラジオを利用して、エアバンド(航空無線)を聞くためのラジオを作ってみます。

この100円FMラジオにはサンヨーの LA1800 という IC が使われています。この IC のうち、FM 用の局部発振と周波数変換の部分を 利用し、コイルとコンデンサーの値を変更して、エアバンドに同調するようにします。 さらにミツミの AM ラジオ用 IC である LMF501T を 利用した AM 検波回路を追加し、航空無線を聞くためのラジオを作ってみました。LA1800 は中間周波数として、約 80 kHzと いう非常に低い周波数を採用しており、これを LA1800 の4番ピンから拾ってきて、LMF501T に入力します。LA1800 には高周波 増幅段が入っていないということと、LMF501T は 300 kHz を切ると増幅度が低下してくる(内蔵されている段間コンデンサーの 容量が余り大きくないため)ので、受信感度の面で心配であったのですが、試作してみた結果、思ったよりも良好に受信できるので、 少々驚いています。例えば、当地岐阜県で、静岡県焼津市上空を飛行中のセスナから発信された電波も良好に受信できました。 LA1800 には中間周波増幅回路も内蔵されていますが、もともと FM の中間周波増幅用ですので、リミッターがかかり、 AM 検波ができなくなってしまいます。ですから、LA1800 内臓の中間周波増幅回路は残念ながら利用できないようです。 しかし、上述のように、中間周波増幅回路を利用しなくても、まずまずの感度を確保できましたので、それなりに 満足しています。


もとのFMラジオの回路図は以下の通りです。


作るべき、エアバンド(航空無線)受信機の回路図は、以下の通りです。元のFMラジオの部品を一部利用します。 利用しない部品(C3、C5、C6、C7、C8、C14)は外してしまうのがすっきりしますが、 邪魔にならなければ、残しておいてもかまいません。

作る回路について、一つ一つ見てみます。

まず、L2 はいつものように、100オームの抵抗 R30 に取り替えてしまいます。

次に、もとの C1(102 つまり 1000pF)は、7pF に交換します。また、C2(R5 と書かれたところに 取り付けられている)は、外してしまいます。

次に、L1 を一度外し、3回巻き分だけ、ほどいて、また取り付けます。これらの、C1 の交換、C2 の撤去、 L1 の巻き直しの三つの作業により、受信周波数帯をエアバンドに合わせることができます。

それから、C17(元の FM ラジオでは、33pF)を、12pF に交換します。L4 は元のままでかまいません。 この C17 の交換は実は大切な作業で、受信感度に大きく影響します。

最後に、別基板に LMF501T ならびに C30〜C33、R31〜R33、LED を載せたものを作り、これを 元の基板に配線します。その際、元の基板の C4 を撤去し、また、LA1800 の16番ピンのところの パターンを切断して配線する必要があります。LED は、LMF501T に 3V をかけると壊れてしまう ため、電圧を制限するために付けていますので、省略することは出来ません。

では、早速、作ってみましょう。


写真1 これが、100円FMラジオです。航空無線はAM方式ですが、用意するのはFMラジオです。


写真2 裏蓋を外したところです。


写真3 L1 の付近の拡大図です。


写真4 R5 の位置に付いていた C2 を取り外し、また、C1 は 7pF に交換します。また、L2 を取り外して、100オームの抵抗に取り替えます。


写真5 L2 を R30 に取り替えたところです。もとの FM ラジオは専用イヤホンで聞かなければならない(普通のイヤホン で聞くと、イヤホンをいためる)ですが、ここを 100オームに替えてやることで、普通のイヤホンでも聞くことができる ようになります。理屈上は、このようにすると、音が少し小さくなるはずですが、実際には、特に問題ありません。


写真6 L4、C17 付近の拡大図です。


写真7 C17 を 12pF に交換しました。


写真8 L1 を一度外します。


写真9 外した L1 です。


写真10 これを、3回巻き分だけ、ほどきます。


写真11 足を短く切り、半田付けできるように被服を剥がします。


写真12 3回巻き分だけほどいた L1 を、元の位置に取り付け直します。


写真13 小さな基板を用意します。


写真14 小基板を取り付けるため、元の基板に穴を開けます。


写真15 小基板を取り付けます。


写真16 表側から見た様子です。また、元の基板上の C4 (写真では中央上に見えている)を取り外します。


写真17 小基板上に、LMF501T、C30〜C33、R31〜R33、LED を取り付けたところです。


写真18 裏面の配線の様子です。


写真19 LA1800 の16番ピンのところのパターンをカットします。


写真20 彫刻等でパターンをカットしたところです。


写真21 その拡大図です。


写真22 小基板からの検波出力を、元の基板のパターンカットをした部分のボリューム側に接続します。また、小基板に電源ラインも配線します。


写真23 基板表側に回って、C4 を取り外した穴の、写真で見て上側(LA1800 の4番ピンにつながっている側)から、小基板の入力(C30)に配線します。


写真24 拡大図です。


写真25 完成したエアバンドラジオを、もとの100円ラジオのケースに組み込んだところです。


写真26 周波数カウンターで、受信周波数の測定中。最低受信周波数は、約 116 MHz となりました。


写真27 同じく、最高受信周波数は、大体 128 MHz となりました。
もし、ダイヤルの上の方ばかりで通信が聞こえてくる場合は、コイル L1 をもう一巻きだけほどきます。逆に、ダイヤルの 下の方ばかりで通信が聞こえてくる 場合は、L1 に並列に、2pF 程度の小容量のコンデンサーを接続します(外した C2 を再利用すると良い)。これは、基板の裏に 取り付ければいいと思います。このような方法で、受信周波数範囲を 微調整することができます。また、もう少し受信周波数範囲を広げたい場合は、C1 を 9pF に変えてみます。


イヤホンのリード線がアンテナの役割を果たしているので、なるべく屋外で聞いてみるといいと思います。こんな簡単な受信機ですが、飛行機と空港の管制官との通話が思ったより良く聞こえます。 朝日大学のある岐阜県では、名古屋空港に離着陸する飛行機と管制官の通信が良く聞こえました。


なお、後に、もっと本格的な受信機を作りました。製作記はここをクリック


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