リチウムイオン電池充電器の製作



リチウムイオン電池充電器の製作

  ジャンク屋でリチウムイオン電池を一つ買ってきました。そこで、リチウムイオン電池充電器を製作してみることにしました。リチウムイ オン電池は電流や電圧の管理が厳格でなければなりませんので、製作には専用ICを用います。  



 まず、リチウムイオン電池充電コントローラICである、MCP73861を用いて回路を製作してみました。以下に、設計した回路図を示します。リチウム イオン電池の充電には4.2(V)モードと4.1(V)モードとがありますが、安全のため4.1(V)モードで動作させることとしました。 万一の事故を考えて、緊急シャットダウンスイッチSW1を設けました。これを押すと、約1分間充電を強制的に中断します(その間に電源を抜く、電池を外す などの処置をします)。その代わりに、電源投入時も約1分間待ってからでないと充電を開始しなくなってしまいました。



 実際に製作した基板です。



 充電中の様子です。順調に充電されています。



 充電中の電圧と電流とを測定しました。充電開始直後の充電電圧は3.8(V)、充電電流は270(mA)となっています。定電流充電を行っています。こ の充電電流はVR1で設定できます。



 充電が進み、充電電圧が4.10(V)に達しました。ここからは定電圧充電に切り替わり、4.10(V)を保ったまま電流が漸減していきます。写真は、 充電電流が220(mA)まで減少したことを示しています。



 さらに充電が進みました。電圧は正確に4.10(V)のまま、電流が130(mA)まで減少しました。



  充電末期です。充電電流が80(mA)まで減ってきました。


 
 これらの充電状態をグラフに示します。赤線は充電電流、青線は充電電圧を示します。充電電圧4.10(V)までは定電流充電を行い、それ 以後は充電電圧4.10(V)の定電圧充電に移行する様子を示しています。





2号機の試作

 続いて、別のリチウムイオン電池充電コントローラーICを用いて2号機を製作しました。用いたのはLTC1733というICです。以下にその回路図を示 し ます。やはり、4.1(V)モードで充電することとします。充電電流はVR1で設定します。



 このICはピンのピッチが0.5(mm)しかなく、感光基板の表面にカッターナイフで傷を付けてパターンを描き、エッチングして基板を作る必要がありま した。



 ICはひとつしかありませんので、半田付けに失敗したらすべてパーです。そこで、100円ショップで虫眼鏡を買ってきてゴムバンドを取り付け、これを顕 微鏡代わりにして作業をしました。



 基板にICを半田付けしました。何とか成功です。でも、安心するのはまだ早いです。



 部品を基板に乗せていきます。また、リード線を引き出します。気を遣う作業が続きます。



 この基板を、さらにユニバーサル基板の上に載せました。ルーラーと比較していただくと、ピッチ0.5(mm)が如何に小さいかがお分かり いただけると思います。ICの右側(104のコンデンサの上側)にある抵抗器は1/8(W)型です。あの小さな1/8(W)型抵抗の細いリード線が太く見 えます。それぐらい細かい作業です。



 充電テスト開始です。順調に動作しています。



 充電電流は200(mA)に設定しました。



 充電開始直後の電圧は、3.95(V)でした。定電流充電を行っています。



 充電が進んで、電流が減少し始めました。



 本来ならば4.10(V)の定電圧充電に移行しなければなりませんが、充電電圧は続けて上昇しています。一瞬、ICの不良等を疑ったのですが、充電電圧 4.20(V)までは大丈夫ですのでしばらく様子を見ます。



 さらに充電が進み、電流が100(mA)を切ってきました。



 最大で4.16(V)まで上昇していた充電電圧が減少に転じてきました。現在、4.13(V)です。



 充電末期の様子です。充電電流は約20(mA)となりました。初期の設定電流(今の場合200(mA))の1/10まで電流が減少すれば充電終了ですの で、そろそろ充電が終わります。



 充電末期には、電圧もきちんと4.10(V)に落ち着きました。



 このICの充電特性を図に示します。充電電圧が4.10(V)に達した時点で充電電流を漸減するところまでは1号機と同じですが、その後も4.20 (V)を超えない範囲で一時的な電圧上昇を認め、充電時間を短縮するようになっていることが分かりました。






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