歯周病にご注意!

歯ブラシに血がついた経験はありませんか?
これは歯周病の微候の一つです。なんと30歳以上では約80%の人に歯周病が存在します。
さっそく鏡で自分の歯肉を見てみてください。赤黒かったり、腫れぼったかったりしたら要注意です。
歯と歯肉の間に歯垢(プラーク)や歯石は付いていませんか?→これらは口臭の原因にもなります。
ひどくなると歯肉から膿がでたり、激しい痛みがあったり、ひどい口臭もでてきます。
歯周病は多くの場合静かに進行し、気がつくころには重傷であったり、手遅れだったりします。
歯垢の中の細菌が原因なのでいつもきれいに
歯垢をとれば大丈夫です。
正しく歯ブラシを使って歯の周りの歯垢を取りましょう。
歯ブラシは硬すぎないものを使って咬みあわせの部分だけでなく歯と歯ぐきのあいだの汚れをきれいにしましょう。
あまり強い力で歯肉を傷つけると歯の根が露出してくるのでやさしくやりましょう。最低1日2回は歯ブラシをしましょう。
(特に夜寝る前にすると寝ている間によく増殖する細菌には有効です)
それから
あまり歯磨剤(ハミガキ粉)にたよらないことです。
付けすぎると泡と清涼感で歯を磨いたつもりになって十分磨けてないことが多いのです。
タバコを吸う人は特に注意が必要です。タバコのヤニは歯垢を付けやすくするし、ニコチンは炎症の回復を遅らせます。
それに口臭の原因でもあります。
毎日、自分の顔を鏡で見るように歯肉の色も見てください。
いつも白い歯ときれいな歯肉を保ちたいですね。
年に一度はムシ歯や歯肉のチェックと歯石の除去を兼ねて行きつけの歯医者さんに診てもらうことをお勧めします。
一生自分の歯で咬めるためには毎日手入れをする必要があるのです。

「歯周病」とは?
歯を支える組織(セメント質、歯肉、歯槽骨、歯根膜)の病気のことです。大きく分けて歯肉炎、歯周炎、外傷に分けられます。歯肉炎は歯肉にのみ限局する炎症性の疾患です。歯肉炎が進行して歯周炎になることが一般的です。外傷(歯に対する不正な力)が加わると歯周炎の進行は速くなります。
成人の歯を失う最大の原因はこの歯周炎です。古くは歯槽膿漏と言われていました。緩慢に進行し、症状が著明に出るころには重篤な状態であることが多いのが特徴です。

「歯肉炎や歯周炎の原因は?」
最大の原因はプラーク(歯垢)の中の細菌です。複数の細菌が歯と歯肉の間のポケットという隙間にたまると歯肉を刺激して炎症を引きおこします。健康な人でもブラッシングをしないと約1週間で歯肉炎の症状が起き、3週間で歯周炎の症状を呈します。

「症状は?」

歯肉炎:

歯に接する歯肉に軽度の発赤や腫脹が見られます。ブラッシング時に出血があります。歯槽骨の吸収はありません。

歯周炎:

歯に接する歯肉に軽度の発赤や腫脹が見られます。ブラッシング時に出血があります。歯槽骨の吸収があります。
軽度の場合は歯肉炎と同様に歯肉の発赤や腫脹が見られます。しかしX線で歯槽骨の吸収が認められます。
中等度の場合は歯肉の退縮(歯根の露出)、歯の動揺、ポケットからの排膿があります。
また時に急性化して歯肉に膿瘍を形成し、多量の排膿や腫脹、疼痛のあることがあります。
重度になると歯の動揺は著しく、摂食障害や発音障害の起こることもあります。また強度の口臭もあります。
さらに歯の移動や自然脱落も起こります。


「治療法」
プラークを徹底的に除去することが最も重要です。 さらに歯面に付着した歯石(プラークが石灰化)を除去してもらうことです。歯肉炎や軽度の歯周炎ではブラッシングの強化と歯石除去だけでかなり改善されます。進行した歯周炎の場合には歯肉を切開して歯根面の清掃、肉芽除去、歯槽骨の整形が必要な時もあります。動揺の著しい歯には他の歯と固定して動揺を軽減することもあります。

「予防法」
1. 適正なブラッシング:バス法やスクラビング法でポケット付近を清掃します。
  1日2〜3回、食後すぐに行うと有効です。さらに就寝前は特に有効です。
  (プラークは睡眠時の唾液量の少ない状態でよく増加します。)
2. 1年に1〜2度は行きつけの歯科医でチェックを受け、歯石除去をしてもらいましょう。
3. もし歯周炎が進行していたら、一度専門医に診てもらうことを勧めます。

「最新の歯周治療事情」

人工骨移植:

欠損した歯槽骨に人工骨を補填する。

歯周組織再生誘導法:

喪失した歯槽骨や歯根膜を元の状態に再生をうながす。特殊な膜を用いて欠損部位を被覆することにより本来の組織の再生を待つ。

歯周組織誘導因子:

セメント質や歯槽骨を誘導する因子を局所に投与する。

歯肉移植:

退縮した歯肉に対し、他部位の歯肉を移植し、審美的に改善する。

インプラント歯根:

歯を喪失した部位に人工の歯根を植え、その上に冠を装着する。入れ歯に比べ残存歯への負担が軽減される。


スクラビング法
毛先を歯軸に水平に当て、横方向に小刻みに振動させる。とくに歯肉と歯の境界部を重点におこなう。

バス法
毛先がポケットに入るようにして、横方向に小刻みに振動させる。軟らかめの歯ブラシを用いる。

ブラシ
歯と歯の間の隙間は歯ブラシでは十分に取れないので、歯間ブラシを用いて清掃する。
歯間部に挿入し、前後にやさしく動かす。

デンタルフロス
歯と歯の間の隙間が狭い時にはデンタルフロスを咬合面より挿入し、下から上に歯面に沿わせて動かす。

電動ブラシ
プラーク除去効率が高い。特に高齢者や障害を持つ人に勧められる。回転系のブラシが特に有効である。
最近は超音波で除去する電動ブラシもある。

 トップへ戻る