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研究内容

小児歯科学分野で行っている研究を紹介します。
妊娠中のストレスによる胎児への影響
@妊娠中の咀嚼運動が新生仔の脳機能に及ぼす効果
わが国の急激な社会構造の変化に伴い、人々は計り知れないストレス環境下におかれ、うつ病や自律神経失調症あるいは内分泌疾患が急増し、近年、大きな社会問題になっている。そこで我々は、拘束ストレス曝露下で咀嚼運動をさせた妊娠マウスとさせなかった妊娠マウスから生まれた仔マウスの情動機能、空間認知機能及び海馬における神経細胞新生機構に与える影響を検討している。

A妊娠中の咀嚼運動が新生仔の脳機能に及ぼす効果
妊娠中にストレスを受けた母マウスから生また仔マウスは、肥満や糖尿病に罹患するリスクが高いとされている。そこで我々は、拘束ストレス曝露下で咀嚼運動をさせた妊娠マウスとさせなかった妊娠マウスから生まれた仔マウスの血糖値と脂肪量、体重変化を調べ、ストレスが与える影響を検討している。

咬合不全による海馬機能への影響
咬合の維持・回復は歯科医師にとって極めて重要な歯科医療行為である。「咬合不全は生体にストレッサーとして働く」と言われてきた。しかし、咬合不全の影響は歯科臨床の場で経験されてきた症例報告がほとんどで社会的認識が薄かった。そこで我々は老化促進モデルマウスを用いて高次脳機能中枢の中でストレスによる影響を最も受けやすい海馬にスポットをあて、咬合不全(咬合挙上・臼歯部の喪失)が海馬機能(記憶)に与える影響を検討し、咬合の維持・回復の重要性を追求している。

乳幼児における口腔機能の健全な成長発育を考える
小児の咀嚼機能は出生後から乳歯萌出開始期、乳歯列期、混合歯列期、永久歯列期へと著しい成長変化をしていく。咀嚼機能は、吸啜から咀嚼への移行時期における順調な発達が重要であることが指摘されているため、乳児期から経年的に吸啜および咀嚼運動について筋電図などを用いて観察している。また、人工乳首の開発、低出生体重児の口腔機能発達に対する研究も行っている。

センサを使用し舌運動を解析する(発音)
近年、発音障害を主訴に来院する患者が増加している。しかし現状ではこのような患者への対応や治療は経験や主観で行われていることが多く、音声学的に検査する方法はあまり行われていない。また発音障害の原因のひとつに舌小帯短縮症が挙げられ、改善のために伸展術が行われるが、その有用性は音声学的に検討されることがまだ少ない。よって舌小帯伸展術が発音や舌の動きに与える影響を検討し、舌の動きが発音の発達における重要性を追求している。

初期齲蝕に対する新しい治療薬PRG Barrier Coatの効果
初期むし歯は、適切な歯口清掃やフッ化物製剤の応用により再石灰化が可能といわれています。むし歯の予防材として市販されているコーティング材(PRGバリアコート)を初期むし歯に塗ったあと、長期間観察を行うことにより、再石灰化効果の有無を調べています。

朝日大学歯学部附属病院
口腔構造機能発育学講座
小児歯科学分野


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