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■教 育
 高齢者歯科学は高齢者、老齢者および全身疾患を有する患者さんの歯科治療について学ぶ学問であります。現在(2008年)、65歳以上の高齢者人口は21.6%で、15歳未満の年少人口(13.5%)を大きく上回っています。人口統計から高齢者人口は2020年には29.2%、2050年には39.6%になり、高齢者人口の占める割合が高くなると予想されています。一見健康そうに見える高齢者も、年齢を重ねるごとに形態的および機能的に退行性変化を示し、成人と同様の治療を行うことは困難な場合があります。また、高血圧症、心筋梗塞、糖尿病等の全身疾患を有する患者さんには、医師との連携により疾患の情報収集を充分に行い、全身疾患に対する配慮をしながら治療を行うことが要求されます。
 高齢者歯科学では健康な成人と比較した高齢者の解剖学的変化、生理学的変化、全身的障害や老化に伴う疾患、精神心理状態および社会的環境等を学び、併せて治療中の偶発症や緊急時の処置法を含めて学びます。また、年齢に相応した健康状態の高齢者および全身疾患を有した患者さんに対する歯科医療における諸問題点について検討し、高齢者のQOLの向上に必要な基礎医学、臨床医学および臨床歯学の集学的知識の習得を目的としています。

・高齢者歯科学(4学年・前学期)
 上記の目的のため以下の予定で講義を実施しております。

  1 高齢者歯科学講義と実習の概説
  2 老年学と高齢者歯科学、高齢社会、老化、高齢者の身体的特徴
   高齢者歯科治療の問題点
  3 高齢者の術前評価、高齢者の検査
  4 高齢者治療中の基本
  5 高齢者と薬剤
  6 高血圧症と歯科治療
  7 虚血性心疾患と歯科治療
  8 不整脈と歯科治療、心不全と歯科治療、後天性心疾患と歯科治療
  9 呼吸器疾患と歯科治療
 10 脳神経疾患と歯科治療
 11 代謝疾患と歯科治療
 12 内分泌疾患と歯科治療
 13 腎疾患と歯科治療、肝疾患と歯科治療
 14 血液疾患と歯科治療、自己免疫疾患と歯科治療
 15 精神疾患と歯科治療、誤嚥と誤飲、妊婦・授乳婦と歯科治療
   ショック、一次救命処置

・高齢者歯科学実習(4学年・前学期)
 高齢者歯科学の講義で習得した知識を臨床の場で活用するために必要な基本的態度と技能の修得を目的として、少人数グループによるOSCE形式の実習を行います。また、モデル・コア・カリキュラムに準拠した多肢選択演習問題の履修と解説講義を行うことにより併せて学力の向上を目的としています。

・客観的総合演習V・高齢者歯科学(4学年・前学期)
 高齢者歯科学の総括を行います。高齢社会の現状、老化のメカニズム、高齢者の身体的特徴、高血圧症、虚血性疾患、呼吸器疾患等高齢者に多発する全身的疾患の概要とそれらの疾患を有する高齢者の歯科治療を安全かつ効率的に行うための知識を再確認、整理して総合的な理解を高めます。

・課題講義T・高齢者歯科学(5学年・前後学期)
 高齢者歯科学の総括を行います。高齢社会の現状、高齢者の身体的特徴、高齢者に多発する全身的疾患の概要とそれらの疾患を有する高齢者の歯科治療を行うための知識を再確認、整理して総合的な理解を高めます。

・課題講義U・高齢者歯科学(6学年・前後学期)
 高齢者歯科学の総括を行います。高齢社会の現状、高齢者の身体的特徴、高齢者に多発する全身的疾患の概要とそれらの疾患を有する高齢者の歯科治療を行うための知識を再確認、整理して卒後臨床研修に役立つよう総合的な理解を高めます。

・参考図書
 「有病者・高齢者歯科治療マニュアル」 上田 裕、須田英明、長尾正憲、道 健一編集(医歯薬出版)
 「高齢者歯科ガイドブック」 植松 宏、稲葉 繁、渡辺 誠編集(医歯薬出版)
 「高齢者歯科臨床ナビゲーション」 植松 宏監修、大渡凡人著(医歯薬出版)

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