Right of publicity(C) 2015 Hayato HIRATA

著書

1.木川統一郎博士古稀祝賀『民事裁判の充実と促進』
共著
1994 (平成 6) 年5月16日
判例タイムズ社
 担当部分:全3巻中の上巻所収(161~183頁)。「憲法と手続的正義をめぐる諸問題」というテーマで執筆した。
 古稀祝賀論集刊行委員会編(共著者:中村英郎、小島武司、太田勝造、平田勇人、池田辰夫、福永有利、上田徹一郎、伊藤眞、小山稔、小林秀之、河野正憲)

2.目で学ぶ商法
共著
1997 (平成 9) 年10月10日
嵯峨野書院
 担当部分:第10章 約束手形・為替手形(197~218頁)。
 企業の法律実務の中で、重要なファクターになっている商法の基礎知識を図解・演習・ポイントを利用しながら解説することを主眼として執筆したものである。特に極めて緻密な論理体系を有し、学説も錯綜している手形法をわかりやすく解説することに心掛けた。
(水野健司、平井卓、生駒正文編著)
(共著者:村田卓、辻哲雄、西尾幸夫、市原正隆、永田均、安口克也、山地斉、平田勇人)

3.目で学ぶ法学
共著
1998 (平成10) 年5月31日
嵯峨野書院
 担当部分:第2章第1節 基本的人権と法(25~34頁)。第3章第4節 私的紛争解決と法(115~125頁)。
 個人間の民事紛争だけでなく個人と企業間においてもリストラ・過労死・セクハラ・製造物責任など様々な民事・ビジネス紛争が起きている。憲法における基本的人権と、ビジネス紛争処理との関連性を意識しながら、法の生きた現実の機能を学習してもらえるよう工夫している。
(水野健司、金谷重樹、永田均、生駒正文編著)
(共著者:平田勇人、森保憲、安口克也、今田浩之、新村繁文、鈴井清巳、松井英樹、酒巻俊之)

4.目で学ぶビジネス実務法務
共著
1999 (平成11) 年6月15日
嵯峨野書院
 担当部分:第4章第1節1~4 契約法の基礎(109~131頁)。商工会議所主催の「ビジネス実務法務検定試験」に完全対応しており、この試験の受験参考書としても最適である。最新の事例・判例を取り入れている点でも有用である。
(波光巌、水野健司、生駒正文、川越憲治編著)
(共著者:佐藤純訟、江端豊和、藤田隆、平田勇人、前原貢、高田富男、安口克也、辻哲雄、松浦民江、平井卓)

5.法律人工知能―法的知識の解明と法的推論の実現
共著
2000 (平成12) 年2月29日
創成社出版
 担当部分:第Ⅳ章第5節「信義則をめぐる背景知識の体系的整理」(137~145頁)。法的知識を搭載し、相談事案を入力すると法的結論、推論過程、根拠、法体系を示してくれる法律分野の人工知能として法律エキスパートシステムがある。科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」は、国際ビジネス社会で重要な役割を担う国際取引法の明日をリードするウィーン売買条約を主たる対象としているため、我が国のビジネス法にとって参考とする点が多い。平成11年度科研費「研究成果公開促進費」により、平成5~9年度の研究成果を、首尾一貫して再構成し、単行本化したもの。
(吉野一、松村良之、加賀山茂、廣田薫編著)
(共著者:櫻井成一朗、松浦好治、太田勝造、波多野誼余夫、西脇与作、松本恒雄、曽野和明、平田勇人、新田克己、山口高平)

6.目で学ぶ憲法
共著
2000 (平成12) 年5月31日
嵯峨野書院
 担当部分:第5章第15節人身の自由、第16節受益権、第17節参政権、第18節社会権(98~123頁)。最新の事例・判例を取り入れながら説明した。
(上田正一、水野健司、生駒正文編著)
(共著者:岩井和由、川田敬一、武部宗晴、江端豊和、有田伸弘、柿本知正、平田勇人、森本敦司、高田富男、大坪満裕)

7.目で学ぶ知的財産権法
共著
2001 (平成13) 年10月20日
嵯峨野書院
 担当部分:第2篇第3章 マルチメディアと著作権(第1節 ソフトウェアの著作権、第2節 マルチメディアとは、第3節 インターネット関連の著作権、第4節 国際商事紛争処理)(169~183頁)(全般にわたって担当)
 現在、新しい知的財産が有力な経営資源として浮上してきており、特許・著作権などで守られた特異な技術・ビジネスモデル等を保護する知的財産権法が重要になってきた。本書は、図解・関連問題・ポイントを利用しながら、知的財産権法の基礎知識を明確に説明した最新内容の基本書である。
(共著者:生駒正文(執筆者代表)、藤田隆、相羽洋一、小玉秀男、村瀬裕昭、村山信義、板村丞二、久々湊伸一、平田勇人、岩井和由)

8.現代ビジネス法辞典
共著
2002 (平成14) 年4月
嵯峨野書院
 現代ビジネス法における最新の内容を満載。用語は、①経済法、②商法、③民法、④税法、⑤労働法、⑥環境法、⑦訴訟法、⑧その他、経済・経営に関するものを収録。平田は、売渡担保、OEM契約、株主代表訴訟、共同訴訟、金銭執行、原状回復義務、権利濫用、差押え、支払督促、信義則、多重債務者の民事再生手続、動産担保、特定物、特別清算、役付取締役、履行の強制ほか、全部で68項目を執筆。
(生駒正文、久保田富也、水野健司、山本忠弘編著)
(共著者:岩井和由、木村吉治、久々湊伸一、瀬川博義、永田均、新村繁文、平井卓、平田勇人、藤田隆、堀田友三郎)

9.目で学ぶビジネス実務法務〔改訂新版〕
共著
2002 (平成14) 年11月
嵯峨野書院
 担当部分:第4章第1節1~4 契約法の基礎(115~138頁)。本書は平成11年6月刊行の『目で学ぶビジネス実務法務』〔初版本〕の内容を、最近の企業取引を巡る各法律の改正をふまえて、最新の内容にしたものである。第4章第1節1~4のうち、インターネットによる取引の説明において図表を追加し、また新たに国際取引に関する項目を追加した。
(生駒正文、波光巌、川越憲治編著)
(共著者:佐藤純訟、江端豊和、藤田隆、平田勇人、前原貢、高田富男、安口克也、辻哲雄、松浦民江、平井卓)

10.ブリッジブック・裁判法
共著
2002 (平成14) 年12月
信山社
 担当部分:第3講義「新民事訴訟法の裁判手続-理念と特徴」の中の第2節「民事裁判審理の計画化と迅速化-その方法のいろいろ」及び第3節「少額裁判と大量処理の方法」を執筆(48~62頁)。  本書刊行の目的は、司法改革の行方を展望し、訴訟法の理念と要点を提供すべく、裁判法の全体イメージと訴訟法理解の手掛かりを提供することにある。
(小島武司編著)(共著者:豊田博昭、猪股孝史、平田勇人、椎橋邦雄、高内寿夫、山城崇夫、佐藤安信、伊藤茂昭、春日偉知郎、大村雅彦)

11.21世紀の法学
共著
2003 (平成15) 年4月25日
建帛社
 担当部分:第11章 民事訴訟法(173~188頁)。本書は、最新の事例・判例を取り入れながら法学各論の理論を明確に説明した最新内容の法学基本書である。21世紀になってビジネスも含めて、社会はめまぐるしく変貌をとげつつあるが、民事訴訟法という領域でどのような変革がなされているか、特にビジネスを巡る民事紛争解決に焦点を合わせて、客観的に記述するように心がけている。
(瀬川博義、水野健司編著)
(共著者:小川直樹、浜本宏、上田正一、中野明人、黒澤英明、櫻本正樹、生駒正文、三田村浩、平田勇人、半田伸)

12.法律人工知能―法的知識の解明と法的推論の実現〔第2版〕
共著
2003 (平成15) 年5月31日
創成社出版
 担当部分:第Ⅳ章第5節「信義則をめぐる背景知識の体系的整理」(137~145頁)。法的知識を搭載し、相談事案を入力すると法的結論、推論過程、根拠、法体系を示してくれる法律分野の人工知能として法律エキスパートシステムは現在も進化し続けている。初版本は平成11年度科研費「研究成果公開促進費」により、平成5~9年度の研究成果を、首尾一貫して再構成し、単行本化したものである。第2版においては、「失効の原則」に基づく法的推論過程の論理流れ図において、その後の研究で発見した論理的矛盾を解決すべく修正を加えた。
(吉野一、松村良之、加賀山茂、廣田薫編著)
(共著者:櫻井成一朗、松浦好治、太田勝造、波多野誼余夫、西脇与作、松本恒雄、曽野和明、平田勇人、新田克己、山口高平)

13.アクセス法学
共著
2004 (平成16) 年10月10日
嵯峨野書院
 担当部分:第Ⅱ篇第4章 民法の基本原則(92~99頁)、第Ⅱ篇第5章 財産と法(物権法/債権法)(100~118頁)。まず第4章で、民法の基本原則として、①権利能力平等の原則、②所有権絶対の原則(私有財産制)、③契約自由の原則、④過失責任の原則、⑤個人の尊厳と両性の本質的平等の原則について説明し、民法の綱領規定については、①公共の福祉の原則、②信義誠実の原則、③権利濫用の禁止について説明した。次に第5章では、物権法の基礎概念と債権法の基礎概念について、図表を用いながら解説した。
(生駒正文、平井卓、高田富男編著)
(共著者:吉川政重、今田浩之、新村繁文、平田勇人、松井英樹、安口克也、生駒俊英)

14.アクセス憲法 [第1版]
共著
2004 (平成16) 年11月20日
嵯峨野書院
 担当部分:第6章15~18節(82~99頁)。15節では人身の自由、16節では受益権、17節では参政権、18節では社会権について、それぞれ図表を用いて解説した。
(上田正一、森本敦司、生駒正文編著)
(共著者:岩井和由、生駒俊英、川田敬一、武部宗晴、大坪満裕、有田伸弘、平田勇人、高田富男、恩地紀代子)


15.ADRの実際と理論Ⅱ
共著
2005 (平成17) 年3月15日
 担当部分:第2章 和解・調停・仲裁「民事調停のあり方について―法乖離型と法志向型の対立をめぐって―」(179~213頁)。本書は日本比較法研究所研究基金に基づく平成13年度研究助成にかかる、共同研究グループ「紛争解決の手続法的課題」のプロジェクトである「裁判外紛争処理に関する比較法的研究」の研究成果の一部であり、その第Ⅱ巻をなすものである。本書の第1編「日本の紛争解決制度」には、第1章「総論」および第2章「和解・調停・仲裁」に関する諸論文が収められており、平田は第2章において、上記テーマで、民事調停のあり方について考察した。
中央大学出版会・日本比較法研究所研究叢書(68)
(小島武司編著)
(共著者:加藤新太郎(司法研修所第1部上席教官・判事)、和田仁孝(早稲田大学大学院法務研究科教授)、太田勝造(東京大学大学院法学政治学研究科教授)、平野晋(中央大学総合政策学部教授)、加藤和夫(公害等調整委員会委員長・判事)、松井英隆(公害等調整委員会事務局審査官・判事)、草野芳郎(広島高等裁判所裁判長・判事)、平田勇人、池田辰夫(大阪大学大学院高等司法研究科教授)、金祥洙(韓国・東國大学校法科大学副教授)、李英俊(韓国・東國大学校法科大学教授・弁護士)、延基栄(韓国・東國大学校法科大学教授)、李商永(韓国・東國大学校法科大学教授)、金浹謙(韓国・東國大学校法科大学教授)、ペーター・シュロッサー(ミュンヘン大学教授)、尹龍澤(創価大学法科大学院教授)


16.アクセス ビジネス実務法務
共著
2005 (平成17) 年7月25日
嵯峨野書院
 担当部分:第3章 会社取引と法務 1契約法の基礎:(1)契約とは、(2)売買契約(58~80頁)。本書の構成から内容、執筆者間の調整、はしがき、目次に至るまで編者として平田が中心になって編集に関与したものである。本書は、ビジネスマンや学生が法律情報に容易にアクセス(接近)でき、そのためのアクセス(近づく方法)を明示し、法律知識をアクセス(利用)でき、究極的には1970年代から起こった「正義へのアクセス」の世界的潮流を認識して行動できるようになることを主眼においている。ビジネスにおいては、民法、商法、手形法、小切手法、商業登記法だけでなく、民事訴訟法、民事調停法、破産法、民事再生法、不正競争防止法、独占禁止法、商標法、刑法、刑事訴訟法などの法律知識も必要になる。また最近の産業界では、国際基準の採用、規制緩和、情報提供による市場の透明化などの諸問題が現実化し、企業側が自己責任をもって、適法・健全な経営戦略を展開していかなければならない時代となってきている。 本書は、最新のビジネス法に関する体系的かつ必要不可欠な知識を、魅力的なトピックス(click here!)や演習問題(The Judge)を効果的に取り入れながら、視覚的にビジネス法をイメージできるように図解しながら、明確かつ平易に解説することを主眼に置いている。
(生駒正文、平田勇人編著)(共著者:岩井和由、生駒正文、佐藤純訟、平井卓、平田勇人、榎本幸子、前原貢、高田富男、安口克也、田中猛、岡田英夫、高橋善樹、鈴木伸佳、波光巌、藤田隆、生駒俊英、松浦民江、萩原くみこ、森田陽子)

17.アクセス憲法 [第2版]
共著
2006 (平成18) 年10月20日
嵯峨野書院
 担当部分:第6章15~18節(82~99頁)。15節では人身の自由、16節では受益権、17節では参政権、18節では社会権について、それぞれ図表を用いて解説した。第1版の記述に若干修正を加えた。
(上田正一、森本敦司、生駒正文編著)
(共著者:岩井和由、生駒俊英、川田敬一、武部宗晴、大坪満裕、有田伸弘、平田勇人、高田富男、恩地紀代子)


18.信義則とその基層にあるもの
単著
2006 (平成18) 年10月20日初版第1刷発行
成文堂
 本書により、明治学院大学から2016年10月17日に博士(法学)の学位(論文博士号)を授与された(32683乙第10号)。
 本書において、筆者が①科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」において研究してきた内容(信義則に基づく法的推論、信義則をめぐる背景知識)と、②哲学・心理学・社会学・民事調停・国際契約法・構造的思考との関係で論じられた諸論文、が収められており、それらを通して法解釈の基本的指針の抽出を試みた。具体的には、日本およびドイツ、そしてCISG、UNIDROIT Principles、PECLにおける信義則理論に関する条文や学説を中心にして、信義則に基づく法的推論過程の分析ならびに、信義則の基層にあるものを検討した。
--------------
 はじめに  i
 初出一覧  viii
 第1章 信義則に基づく法的推論  1頁
   第1節 禁反言への「言語分析」適用について(一)  1頁
   第2節 禁反言への「言語分析」適用について(二)  8頁
   第3節 禁反言への「言語分析」適用について(三・完)  20頁
   第4節 信義則に基づく法的推論過程のメタルール抽出について(一)  32頁
   第5節 信義則に基づく法的推論過程のメタルール抽出について(二)  54頁
   第6節 メタ知識の観点からの法的トポス―国連売買条約における信義則の理解のために―  68頁
   第7節 信義則をめぐる背景知識の体系的整理  82頁
 第2章 信義則の基層にあるもの  122頁
   第1節 哲学の基本的問題と実定法の関わり  122頁
   第2節 信義則と社会化の関係  132頁
   第3節 民主主義的訴訟と全体主義的訴訟  144頁
   第4節 憲法と手続的正義をめぐる諸問題  154頁
   第5節 民事調停のあり方について―法乖離型と法志向型の対立をめぐって  173頁
   第6節 国際契約法における信義則  209頁
   第7節 契約上の義務の履行における信義則  235頁
   第8節 トピク的思考の観点からの信義則の法解釈学的考察  250頁
 第3章 おわりに  288-299頁


平田勇人著『信義則とその基層にあるもの』(成文堂、2006)

19.アクセス民法
共著
2007 (平成19) 年5月1日
嵯峨野書院
 最新の民法に関する体系的かつ必要不可欠な知識を要領よく平易に解説し、また魅力的なトピックスや演習問題を効果的に取り入れながら、視覚的に民法の基礎知識をイメージできるように図解が用いられている。本書は、各種の国家試験や就職試験を受験する上で、民法全体を勉強するには最適であり、通説・判例を中心として、自説を排除したため初学者にとっても分かりやすい構成になっている。
 担当部分:第2章4~7節(45~57頁)。4節では占有権、5節では所有権、6節では共有、7節では用益物権について、それぞれ図表を交えながら解説した。
民法を効果的に学ぶための工夫を随所にしており、読者は、民法の構造的な知識を確実に習得できるようになっている。
(國府剛、生駒正文、山田隆夫編著)
(共著者:有田伸弘、右近潤一、武田晴彦、平田勇人、森本敦司、能登真規子、平井卓、江端豊和、生駒俊英、花元彩)


20.中日民商法律制度比較研究
共著
2009 (平成21) 年12月
上海:学林出版社
 日本経営実務法学会の創立10周年記念として、華東政法大学の日本法研究センターと日本経営実務法学会の共催で、上海で国際シンポジウム(2007年8月22・23日)が開催された。本書は国際シンポジウムで発表されたテーマに関して、シンポジウム終了後の理論的かつ実務的な進展も加筆して、李偉群教授が編集したものである。本書は、中国と日本の商法、民法、民事訴訟法、独占禁止法、知的財産権法、消費者保護法、電子商取引法、行政法、倒産法などに関する多くの新しい領域に及んでおり、日中民事商法の理論と現実を的確に反映しているといえよう。前半部分(1~201頁)は、中国語による内容が掲載され、後半部分(202~441頁)は日本語による内容によって構成されている。
平田は、161~172頁で 「络ADR子商务纠纷处理机制」を掲載し(日本大江法律事務所上海代表:周敏弁護士翻訳)、さらに392~406頁で「サイバーADR~インターネットを介した電子紛争処理システム」というテーマで執筆した。国際シンポジウムで発表した内容に対して、発表後の進展やその他、重要な論点を大幅に加筆して掲載した。
 平成21年に李偉群教授が、東京大学に留学していた時、平田勇人はケンブリッジ大学法学部で仕事をしており、ケンブリッジ大学の研究室と李教授のいる東京大学の研究室でインターネットを介してやり取りをしながら、今回こうした形で結実したものである。骨の折れる仕事を快く引き受けてくれた李偉群教授、王祝教授にこの場を借りて心よりお礼を申し上げたい。学術書が中華人民共和国から刊行されたことに深く感謝します(ISBN 978-7-80730-944-4)。


21.アクセス法学[第2版]
共著
2009 (平成21) 年12月31日
嵯峨野書院
  本書は、序章(法学の基礎)、第Ⅰ篇(国家と法)、第Ⅱ篇(個人生活と法)、第Ⅲ篇(社会生活と法)から大きく構成されている。第Ⅰ篇はさらに、第1章(政治機構)、第2章(政治方針)、第3章(犯罪と法)から成る。第Ⅱ篇はさらに、第4章(民法の基本原則)、第5章(財産と法)、第6章(家族と法)、第7章(消費生活と法)から成る。第Ⅲ篇はさらに、第8章(企業と法)、第9章(労働と法)、第10章(社会保障と法)、第11章(経済と法)から成る。
  担当部分:第Ⅱ篇の民法に関する部分のうち、第4章 民法の基本原則(92~99頁)、ならびに第5章 財産と法(100~119頁)を執筆した。第1版の第4章では、民法の基本原則として、①権利能力平等の原則、②所有権絶対の原則(私有財産制)、③契約自由の原則、④過失責任の原則、⑤個人の尊厳と両性の本質的平等の原則について説明し、民法の綱領規定については、①公共の福祉の原則、②信義誠実の原則、③権利濫用の禁止について説明したが、今回の第2版では、おもに、第5章における内容に対して加筆修正を加えた。すなわち、①物権法の基礎概念、②債権法の基礎概念、③契約、④不法行為、について最新の法律規定や実情に合わせて大幅に加筆修正を加えた。なお、図表を用いながら解説したことは以前と同様である。このことにより、民法総則、物権法、債権法について、鳥瞰することが可能となり、また契約、不法行為についても、論点をしっかりと押さえることが可能な内容になっている。
(生駒正文、平井卓、高田富男編著)
(共著者:吉川政重、今田浩之、新村繁文、平田勇人、松井英樹、安口克也、生駒俊英)


22.ブリッジブック裁判法[第2版]
共著
2010 (平成22) 年5月
信山社
 本書は司法制度改革の進展とその衝撃を踏まえて、2002年度に刊行された『ブリッジブック裁判法』を全面改訂したものである。具体的には、初版が一新され、知的財産権紛争など近時特に注目されている問題に関する講義が新設されたほか、既存の章も最新の状況に合わせて書き直された。その上で、全体は4つの編に振り分けて解説されている。
第1編は「裁判とその基本原則」、第2編は「司法のあり方をめぐる動き」、第3編は「司法を支える人々」、そして第4編は「司法の利用方法」とから構成されている。
 担当部分:第2編の第5講義「民事訴訟の改革(2)―専門家の活用と簡易裁判所の拡充」を執筆した(56~66頁)。内容は、①裁判所に高度な知識を提供する専門家(専門委員制度)、②争点の証拠調べで意見を述べる専門家(鑑定制度)、③事件を迅速に解決する(簡易裁判所の取扱対象の拡大)について、執筆した。
(小島武司編著)(共著者:猪股孝史、春日偉知郎、堅田剛、小島武司、小林学、小林幸夫、佐藤安信、椎橋邦雄、清水宏、玉巻弘光、田村泰俊、遠山信一郎、豊田博昭、中野目善則、萩澤達彦、平田勇人、三宅弘人、宮島里史、安井哲章、山城崇夫)


23.加賀山茂先生還暦記念『市民法の新たな挑戦』
共著
2013 (平成25) 年1月刊行
信山社
担当部分
 Ⅱ章 手続法
 本書は名古屋大学大学院(博士後期課程)時代から公私にわたってご指導していただいている加賀山先生の還暦記念論文集であり、平田は第Ⅱ章(手続法)の中で、「当事者の視点に立った調停技法」というテーマで執筆した。
 筆者は、裁判所の民事調停実務を法学教育・研究に生かすべく長年取り組んできた 。その中で、当事者の視点に立った調停の大切さを痛感している。 ADRのメリットとして、①簡単な申立手続、②低コスト、③迅速性、④相互の合意に基づく解決、⑤非公開性、⑥柔軟性、⑦専門性、⑧国際越境取引に係る紛争についても現実的な処理が可能、⑨将来指向型(両当事者の将来の関係をも考慮した解決案を選択可)等があげられる。しかし、訴訟も制度改革により、③迅速性、⑦専門性の点でADRに肉薄してきており、今後は、訴訟とADRが切磋琢磨して相互補完の関係を築くことが、紛争解決サービスの向上につながると考えられている。そして、裁判所の調停だけでなく、民間型のADRも注目を浴びてきている 。 本稿では、日々の調停業務の中でその重要性を感じてきた「当事者の視線」に立った調停のあり方、そしてそのための調停技法について考察した(65~91頁所収)。
(松浦好治・松川正毅・千葉恵美子編著)(共著者:松浦好治、福田清明、大塚明、平田勇人、Michelle Tan、宮下修一、深川裕佳、上杉めぐみ、伊藤栄寿、渡邉力、千葉恵美子、中舎寛樹、潮見佳男、山田到史子、久須本かおり、平林美紀、山口幹雄、岡本裕樹、野村美明、寺沢知子、松川正毅、水野紀子、床谷文雄、吉本健一)


24.家族法
共著
2013 (平成25) 年4月刊行
法律文化社
担当部分
 本書は、家族法の内容の水準を下げることなく分かりやすく解説し、初学者にとっても、またある程度学習の進んだ者にとっても、充実した内容を盛り込んでいる。たとえば、家族の国際化や、紛争処理手続きなどかなり豊富な内容が盛り込まれている。 平田は「第15章 家族関係の紛争処理」を執筆(270~287頁所収)。内容については、以下の項目について執筆。
   家族法 第15章「家族関係の紛争処理―夫婦・親子・親族間のもつれた糸を解きほぐす紛争処理システム」
   ◇ 導入部分、
   1 家族関係をめぐる紛争処理制度ー最新の動向
   2 家事審判による事件類型別解決ー裁判所による一刀両断的な解決
   3 家事調停による事件類型別解決ー両当事者の希望の実現を目指す解決
   4 紛争処理制度の在り方ー信頼される紛争解決
   5 今後の紛争処理制度のあり方ー優れた技法の伝承
   ◇ コラム15-1 ADR(裁判外紛争処理制度)の実際
   ◇ コラム15-2 コンピュータによる調停支援システム(東京工業大学大学院総合理工学研究科の新田研究室の紹介)
   ◇ 設題3問
   ◇ 資料15-3 家事事件手続法〔平成23年5月25日法律第52号〕条文抜粋
(中川淳、小川富之編著)
(共著者:中川淳、立石直子、鈴木伸智、手嶋昭子、遠藤隆幸、羽生香織、梅澤彩、佐々木健、冷水登紀代、小川富之、
松久和彦、板倉集一、花元彩、金汶淑、平田勇人)


25.よくわかる民事訴訟法
  (やわらかアカデミズム・<わかる>シリーズ)
共著
2013 (平成25) 年10月刊行
ミネルヴァ書房
  本書は手続法の根幹にあるフィロソフィーに触れ、手続法の考え方を会得できるように、基本的な概念や事項を可能な限り分かりやすく、しかも、語りかけるような筆致で解説することで、法的思考力が高まるように工夫されている。側注では、主にキーワードや基本概念が説明されているが、その際、クロスレファレンス等によって相互関連性を意識する機会を可能な限り提供することで体系的な理解に資するように作られている。
担当部分
  ◇ Ⅶ章(訴訟行為)1節: 訴訟手続における訴訟行為 (88・89頁所収)
     ①訴訟行為概念の意義と種類、②申立て、③主張・立証 [図解あり]、④訴訟行為の撤回・取消し、⑤訴訟行為と条件。
  ◇ Ⅶ章(訴訟行為)2節: 訴訟行為と私法行為 (90~93頁所収)
     ①訴訟行為に対する私法規定の適用可能性、②訴訟契約(訴訟上の合意)、③訴訟上の形成権行使 [図解あり]、④訴訟行為の瑕疵と治癒 [図解あり]。
  ◇ Ⅹ章(終局判決)7節: 判決のその他の効力(2):反射効・執行力・形成力ほか (144~145頁所収)
     ①反射効、②執行力、③形成力、④人事訴訟における別訴禁止効。
  ◇ Ⅹ章(終局判決)8節: 終局判決に付随する裁判(146~147頁所収)
     ①仮執行宣言(民訴法259条・260条)、②訴訟費用、③弁護士報酬敗訴者負担。
  ◇ XI章(多数当事者訴訟)4節: 共同訴訟(3):訴えの主観的追加的併合 (158~159頁)
     ①訴えの主観的追加的併合とは、②類型、③判例、④その他の当事者引込みの可能性 [図解あり]。
(小島武司編著)
(共著者: 秋田知子、猪股孝史、河村基予、木川裕一郎、小林学、清水宏、田中誠人、豊田博昭、萩澤達彦、秦公正、平田勇人、山城崇夫)


26.ロードマップ法学
共著
2016 (平成28) 年4月15日刊行
一学舎
 本書は各法律の全体をいくつかの判例(CASE)を使ってわかり易く初学者に説明することが基本コンセプトである。
平田勇人は「14 民事訴訟法」を執筆担当し、水準を下げることなく、全体を鳥瞰できるように配列して記述した(96~109頁所収)。
(小川富之・川村隆子・藤野奈津子編著)
(共著者: 小林直樹、村中洋介、安田拓人、小杉亮一朗、平田勇人、神本隆賢、藤中敏弘、藤本真理、山下匡将、小野義典)


27.AIによる紛争解決支援~法律人工知能
単著
2018(平成30)年8月1日発行
成文堂
 「第1部 法的価値判断に関する研究」と「第2部 AIによる紛争解決支援の基礎研究」という構成で、 AIと法律家の関係の将来像を分析・検討し、 課題の克服と 問題解決を試みる論文集。 AI(法律人工知能)によって法律家の仕事がなくなると単純に考えるのではなく、むしろ法律家はAIにできる仕事はシステムに任せて、よりクリエイティブな仕事に集中できる時代に入ってきたと見るべきであろう。
 目次
 はしがき…ⅰ
 初出一覧…xi
 第1部 法的価値判断に関する研究…1
   第1章 信義則をめぐる背景知識の体系的整理…3
   第2章 民事調停のあり方について――法乖離型と法志向型の対立をめぐって…43
   第3章 判断における法的価値関数について――法創造教育への活用…81
   第4章 民事調停の基層にあるもの…113
   第5章 当事者の視点に立った調停技法…135
   第6章 調停の科学――信義則と調停の基層…163
 第2部 AIによる紛争解決支援の基礎研究…221
   第1章 オンラインADR対応型の法律エキスパートシステムの展望…223
   第2章 論理法学とオンラインADR…248
   第3章 コンピュータによる調停支援の可能性…269
   第4章 話題の流れに着目したリフレーミング検出…288
   第5章 法的価値の重み付け…303
   第6章 IT先進国シンガポール…364
   第7章 人工知能(AI)の活用可能性…380
   付録「英文論文のアブストラクト」…387


28.Legal Values in Japan and Hungary ~ Essays on the Theoretical, Historical and Cultural Background of the Law
共著
2018(平成30)年9月24日発行
デザインエッグ社(オンデマンド:ペーパーバック)
ISBN-10: 4815006660, ISBN-13: 978-4815006662
全178頁の内、平田の論文は75~104頁に掲載。
Edited by Tamio MITOMA and Jenő SZMODIS
This is Essays on the Theoretical, Historical and Cultural Background of the Law in Japan and Hungary.
Saori AMANO studies today's Japanese fortunetelling and spiritual phenomena at Nagoya university for her Ph. D degree. Kanichi HAYASHI teaches local government and political process at several Japanese universities. He was Professor of Political Science and Public Administration at Tokiwa University. Hayato HIRATA has a doctorate in law and is a professor of law (Asahi University) and a researcher of legal artificial intelligence at the same time.Tamio MITOMA is professor of sociology at Aichi Sangyo University College, Japan. Osamu OKAZAKI is professor of law and history at Asahi University. He is author of Laissez-faire and American Legal Pragmatism (2013). Hirokazu SUZUKI is Associate Professor of Graduate School of Language and Culture at Osaka University. Jenő SZMODIS is associate professor of National University of Public Service (Budapest). Rieko UEDA is Professor at the Faculty of Humanities and Social Sciences at Kumamoto University.


29.司法アクセスの普遍化の動向
共著
2018(平成30)年12月刊行
日本比較法研究所研究叢書116・中央大学出版会
平田は第10章(シンガポール)担当(389~429頁執筆)。
  多民族国家ゆえにシンガポールが抱える問題を明らかにすると同時に、この国は情報化時代の到来をいち早く察知し、高度情報化社会に対応した取り組みを着実に進めてきていることが明らかとなった。司法のIT化は、手続の利便性や処理の迅速化だけでなく、司法当局が負担する経費削減にも大いに役立つものとなっている。日本では裁判書類の提出は紙媒体で求められ、電話やFAXが通信手段として用いられており、まだ司法のIT化が進んでいるとは言い難い。電子メールによる書類提出が認められ、ITを活用して手続が効率化され 、書類や証拠が全てデータ化されて、オンラインで裁判所に提出され、審理中は主張書面や証拠が、法壇上、各当事者席及び傍聴席にあるスクリーンに映しだされ、その場にいる全員が内容を確認することができる といった裁判手続におけるIT化は、シンガポールの特徴であると同時に、将来の司法の在り方を考えさせるものといえるであろう。


30.家族法〔第2版〕
共著
2019(平成30)年3月刊行
平田は第15章担当(266~284頁執筆)。
  第15章は、夫婦・親子・親族間のもつれた糸を解きほぐす紛争処理システムについて扱っている。現在、裁判所で繰り広げられている一見すると「解決不可能にしか思えない問題」に対して、裁判所は、人々がお互いに「オープンに聴き、オープンに話す」ことを通じて、崩れかけた人間関係の再結を実現していく努力がなされている。基本的な家族法の体系的知識を書くとともに、家事事件手続法において導入された電話会議システムやテレビ会議システムなど、先端テクノロジーも紹介している。本章では、さらに先を行く研究を紹介した。将棋やチェスの分野だけでなく、最近の人工知能の進歩には目を見張るものがある。東京工業大学(院)では、人間の知的活動を支援するシステムを開発するため、知識情報処理やヒューマン・インタフェースなどの基礎技術のほかに、応用分野に関する知識の分析とモデリングが行われてきた。そして、新田研究室(現在は名誉教授)では、人工知能の基礎・応用研究を中心として、「交渉エージェント」「エージェントシミュレーション」「情報可視化」「情報基礎」「社会エージェント」「地域情報処理」などの先端的な研究が行われてきた。このうち、「交渉エージェント」を紹介すると、調停をオンライン上で実現し、過去の調停ログを蓄積し、それを参照して調停者の教育支援も行う、オンライン調停支援システムが開発されてきた。また、調停者・両当事者の3人が揃わなくても模擬調停を行える環境を作るため、当事者の一方または両方をエージェントとして人間と論争を行う論争エージェントが開発されてきた。


31.Laws, Rights and Social Values in Japan and Hungary
共著
2019(平成30)年5月刊行
Chubunihon Kyoiku Bunkasha
  Studies on the Theoretical, Historical and Cultural Background of the Law in Japan and Hungary ハンガリーと日本の学際的研究。平田の論考は65-92頁所収。


32.続・AIによる紛争解決支援~人工知能の活用可能性
単著
2021(令和3)年12月20日発行
成文堂
  本書は、東京工業大学から2021年4月30日に学位授与された工学博士論文「ファクタと法的トポスを用いた議論文書の解析」をもとに加筆修正したもの。東工大の工学博士論文は、人工知能学会誌37巻1号(2022年1月)66頁(特集「人工知能分野における博士論文~博士論文に見る研究テーマの動向」)で紹介していただきました)。
  内容を簡単に紹介すると、現代的諸問題として、第3章でゴミ屋敷問題、第4章で課税問題、第5章で労働問題を取り上げて分析・検討し、法学と人工知能との文理融合、人工知能の活用可能性について分析した。
 はしがき...ⅰ
 第1章 序論...1
   Ⅰ 研究の背景と目的...1
   Ⅱ 本書の構成...3
 第2章 関連研究...5
   Ⅰ 議論教育の研究...5
      1.ソクラテスメソッド...5
      2.ケースメソッド...5
      3.プロブレムメソッド...6
   Ⅱ ファクタを用いた法的論争支援システム...7
      1.判例の構造...8
      2.判例を利用した議論システムHYPO...8
      3.判例を利用した議論システムCATO...12
   Ⅲ 議論評価の関連技術...14
      1.Toulminダイアグラム...14
      2.議論プロトコル...15
   Ⅳ 法的トポス(法的価値)...19
      1.トポイカタログ...20
      2.拡張版トポイカタログ...27
   Ⅴ 数理議論学...31
      1.議論フレームワーク(AF)...31
      2.双極性議論フレームワーク(BAF)...32
      3.拡張議論フレームワーク(EAF)...33
 第3章 ファクタを利用した議論評価...35
   Ⅰ 背景と目的...35
   Ⅱ 議論の評価基準...36
      1.仲裁(競合的議論)の採点項目...36
      2.交渉(協調的議論)の採点項目...38
   Ⅲ 議論スキルの解析...41
      1.解析の概要...41
      2.特徴量の計算...43
      3.相関分析と判別分析...44
   Ⅳ 議論スキル解析の実施例...46
      1.論争課題(ゴミ屋敷問題)...46
      2.ゴミ屋敷問題のファクタ...48
      3.議論データと専門家による議論評価...54
      4.タグ付け...59
      5.ゴミ屋敷における特徴量...59
      6.相関分析...73
   Ⅴ 小括...86
 第4章 判例教育へのファクタと法的トポスを用いた判例分析...88
   Ⅰ 背景と目的...88
   Ⅱ ファクタと法的トポスによる判例分析の概要...89
      1.事前準備(ファクタ階層の構築)...90
      2.事前準備(トポス階層の構築)...91
      3.ファクタと法的トポスによる判例分析...94
   Ⅲ 税法課税判例における分析例...95
      1.分析する税法判例...95
      2.課税問題のファクタと法的トポス...97
      3.個々の課税判例の分析...103
      4.課税判例の比較...105
   Ⅳ 小括...109
 第5章 判例教育へのファクタと数理議論学を用いた判例分析...111
   Ⅰ 背景と目的...111
   Ⅱ ファクタとBAF・EAFによる判例分析の概要...112
      1.事前準備(ファクタ階層の構築)...112
      2.ファクタとBAF・EAFによる判例分析...113
   Ⅲ 労働判例における分析例...115
      1.対象とする労働判例...115
      2.労働判例からのファクタのリスト...121
      3.労働判例のファクタの重要度分析...126
      4.ファクタ付きBAFによる争点分析...128
      5.労働判例からのEAF抽出と論理検証...133
   Ⅳ 小括...138
 第6章 結論...140
   Ⅰ まとめ...140
   Ⅱ 将来の研究課題...142
 公表論文(工学博士論文に直接関連したもの)...143
 関連文献...144
 付録A ゴミ屋敷問題の議論予想図...153
   A.1 議論予想図1(空き缶は財産か)...153
   A.2 議論予想図2(行政代執行)...154
   A.3 議論予想図3(強制執行は無意味か?)...154
   A.4 議論予想図4(ベストな法的対応は何か?)...155
   A.5 議論予想図5(ゴミ放置と公益性)...155
   A.6 議論予想図6(廃棄物処理法)...156
   A.7 議論予想図7(道路交通法)...156
   A.8 議論予想図8(民事執行法の代替執行)...157
   A.9 参考資料(環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部
 廃棄物対策課長回答)...158
 事項索引...159


33.最新中日民商法律制度比較
共著
2022 (令和4) 年4月
中華人民共和国:法律出版社
 李伟群主編・王祝副主編(国際共著)
 李伟群、赵莉、陈美颖、陈轶凡、山本宽、平田勇人、恩地纪代子、横井 祐一、谷隆之、田坂良则
平田執筆担当範囲: 日本民事调解的基层价值
(ISBN 978-7-5197-6629-0)。


34.Analysis of Legal Argumentation Documents: A Computational Argumentation Approach
(ISBN 978-981-19-2927-4)
(ISBN 978-981-19-2928-1)
2022(令和4)年8月13日
Springer Nature Singapore
Hayato HIRATA(First author)
Katsumi NITTA(Joint author)
■Abstracts for each chapter
  In Chapter 1, "Introduction," the background and purpose of this study are described.
  In Chapter 2, "Related Research," introduces research on argumentation education, and then introduces the concept of factor, which is an abstraction of the features of a case, and legal topoi, which is a list of legal values, as a preparatory step for analyzing argumentation documents.
  In Chapter 3, "Factor-based Argumentation Evaluation," we propose a method to automatically evaluate argumentation skills from the records of argumentation exercises.
  In Chapter 4, "Case Analysis using Factors and Legal Topoi to Case Law Education," proposes a method for extracting factors and legal topoi from individual taxation cases and analyzing how the patterns of factors and legal topoi appearing in a group of cases affect the decisions.
  In Chapter 5, "Case Analysis for Case Law Education using Factors and Computational Argumentation Theory," the analysis method of Chapter 4 is further extended to extract not only factors from individual judicial precedents but also the logical structure of the claims of the plaintiff and the defendant and the relationship between them and the judge's decision, which are expressed by BAF and EAF.
  In Chapter 6, "Conclusion," we summarize this paper and discuss future challenges.
■Table of Contents
1: Introduction…… 1
  1.1 Background and Purpose of the Study…… 1
  1.2 Structure of This Book…… 3
  References…… 3
2: Related Research…… 5
  2.1 Research on Argumentation Education…… 5
    2.1.1 The Socratic Method…… 5
    2.1.2 Case Method…… 5
    2.1.3 The Problem Method…… 6
  2.2 Factor-Based Legal Argumentation Support System…… 7
    2.2.1 Structure of Precedents…… 7
    2.2.2 HYPO, a Legal Argumentation System Using Precedents…… 8
    2.2.3 CATO, an Argumentation System Using Case Law…… 10
  2.3 Related Techniques for Argumentation Evaluation…… 11
    2.3.1 Toulmin Diagram…… 13
    2.3.2 Argumentation Protocol…… 16
  2.4 Legal Topos (Legal Value)…… 13
    2.4.1 Topoi Catalog…… 24
    2.4.2 Expanded Topoi Catalog…… 24
  2.5 Computational Argumentation Theory…… 25
    2.5.1 Argumentation Framework (AF)…… 25
    2.5.2 Bipolar Argumentation Framework (BAF)…… 28
    2.5.3 Extended Argumentation Framework (EAF)…… 29
  2.6 Factor-based Argumentation Analysis…… 30
    2.6.1 Argumentation Analysis by Factors…… 31
    2.6.2 Argumentation Protocol and Factor…… 31
    2.6.3 Legal Topoi and Factors…… 32
    2.6.4 Argumentation Frameworks and Factors…… 33
  References…… 34
3: Factor-Based Argumentation Evaluation…… 39
  3.1 Background and Objectives…… 39
  3.2 Evaluation Criteria for Argumentations…… 40
    3.2.1 Scoring Items for Arbitration (Competitive Argumentations)…… 40
    3.2.2 Scoring Items for Negotiation (Cooperative Argumentations)…… 42
  3.3 Analysis of Argumentation Skills…… 45
    3.3.1 Overview of the Analysis…… 45
    3.3.2 Feature Calculation…… 47
    3.3.3 Correlation Analysis and Discriminant Analysis…… 48
  3.4 Example of Argumentation Skill Analysis…… 49
    3.4.1 Controversial Issue (Garbage House Problem)…… 50
    3.4.2 Factors of the Garbage House Problem…… 51
    3.4.3 Argumentation Data and Experts' Argumentation Evaluation…… 56
    3.4.4 Tagging…… 61
    3.4.5 Features in the Garbage House…… 61
    3.4.6 Correlation Analysis…… 84
  References…… 101
4: Case Analysis using Factors and Legal Topoi to Case Law Education…… 103
  4.1 Background and Objectives…… 103
  4.2 Overview of Case Law Analysis by Factors and Legal Topoi…… 104
    4.2.1 Preliminary Preparation (Construction of Hierarchy of Factors)…… 105
    4.2.2 Preliminary Preparation (Construction of Topoi Hierarchy)…… 106
    4.2.3 Analysis of Cases by Factors and Legal Topoi…… 108
  4.3 Examples of Analysis in Tax Law Cases…… 109
    4.3.1 Tax Law Cases to be Analyzed…… 109
    4.3.2 Factors and Legal Topoi of Taxation Issues…… 111
    4.3.3 Analysis of Individual Tax Cases…… 116
    4.3.4 Comparison Between Cases…… 117
    4.3.5 Conclusion…… 121
  References…… 122
5: Case Analysis for Case Law Education Using Factors and Computational Argumentation Theory…… 125
  5.1 Background and Objectives…… 125
  5.2 Overview of Case Law Analysis Using Factors and BAF/EAF…… 126
    5.2.1 Preliminary Preparation (Construction of Hierarchy of Factors)…… 126
    5.2.2 Analysis of Precedents Using Factors and BAF/EAF…… 127
  5.3 Examples of Analysis in Labor Cases…… 128
    5.3.1 Targeted Labor Cases…… 128
    5.3.2 List of Factors from Labor Court Cases…… 134
    5.3.3 Importance Analysis of Factors in Labor Court Cases…… 136
    5.3.4 Issue Analysis by BAF with Factors…… 140
    5.3.5 EAF Extraction and Logic Verification from Labor Case Studies…… 145
  5.4 Conclusion…… 149
  References…… 150
6: Conclusion…… 153
  6.1 Summary…… 153
  6.2 Future Research Topics…… 155


35.家族法〔第3版〕
共著
2023 (令和4) 年10月
法律文化社
 中川淳、小川富之編
 立石直子、鈴木伸智、手嶋昭子、遠藤隆幸、羽生香織、梅澤彩、佐々木健、冷水登紀代、小川富之、松久和彦、板倉集一、花元彩、金汶淑、平田勇人
平田執筆担当範囲: 第15章「家族関係の紛争処理~夫婦・親子・親族間のもつれた糸を解きほぐす紛争処理システム」
(ISBN 9978-4-589-04284-2)


36.Progress and Justice: Globality and Locality from the Aspect of the World and the Individuum
Edited by Tamio MITOMA & Jenő SZMODIS
Kanichi HAYASHI, Tamio MITOMA, Hayato HIRATA, J. NAGY, Jenő SZMODIS, Ágnes ZSIDA
Published by Narumi Publishing Co.,Ltd., Aichi, Japan
ISBN 978-4-907952-36-5 C1032


学術論文

1.民事訴訟における信義則の取扱い―証明妨害と信義則―
単著
1983 (昭和58) 年9月
広島大学大学院修士論文
 民法第1条第2項において信義誠実の原則(信義則)が規定されているが、民事訴訟法においても信義則が妥当すると一般に考えられている。ドイツにおける信義則をめぐる学説を整理し、日本における信義則をめぐる学説も同様に分析・整理した。特に日本における民事訴訟法学においては、信義則については方法論的にみて二つの立場があり研究されている点につき考察した。そしてそれらを前提にした上で、証明妨害を例にとって分析を試みた(レジュメ6頁、本文1~204頁)。

2.平田勇人要約・テイラー著「ニュージーランド民事訴訟における拡散・集合利益の保護―世界の公共・拡散利益の代表に関する法制(1)」
単著
1985 (昭和60) 年6月30日
中央大学日本比較法研究所発行比較法雑誌19巻1号
 公共・拡散利益の代表に関する法制の比較研究計画の一環としてヴュルツブルクの民事訴訟国際会議に提出されたNew Zealand Reportに基づき、ニュージーランドの法制を紹介し、コメントを加えたものである(93~103頁所収)。リゾートビジネスで自然保護団体とのクラス訴訟が問題になっているが、平田は、①クラス訴訟の点でアメリカより著しく遅れている、②アメリカと比べて拡散権利の実効的な裁判上の保護が遅れている、③当事者の引き込みの点でまだ法理化されていない、④拡散権利の実現を国家だけに頼っており不十分といった点を指摘した。

3.平田勇人要約・ポモルスカ著「ポーランドにおける鑑定人の鑑定に対する法的基礎―世界の鑑定法制(7)」
単著
1985 (昭和60) 年9月30日
中央大学日本比較法研究所発行比較法雑誌19巻2号
 世界の鑑定法制に関する比較研究計画の一環として、ヴュルツブルクの民事訴訟国際会議に提出された国別報告書のうち、ポモルスカ教授によるポーランドの報告書に基づき、ポーランドの鑑定法制を紹介してコメントを加えたものである(245~250頁所収)。ビジネス紛争において、鑑定が勝敗を左右する場合があるが、平田は①鑑定法制において、鑑定人の鑑定の他に専門家、特に研究所の鑑定が追加されたことは科学技術の発展が鑑定法制に合理性を要求した点と、②ポーランド裁判官全体の8割が女性であるのに対し、鑑定人の女性占有率に言及していない点が残念である点を指摘した。

4.哲学の基本的問題と実定法の関わり
単著
1985 (昭和60) 年12月20日
上戸学園女子短期大学紀要15号
 法律関係における信義誠実の原則(信義則)は、民法1条2項等で明文化されている。信義則は、ある意味では法と道徳の接点ともいえる。信義則を個別的法命題に類型化する議論と、メタ法価値論とを照らし合わせて考察すると、異論の余地のない原理からの演繹か、経験に基づく帰納かのいずれかによらない推論は、主観的で恣意的と見る見方が強く働いている点を指摘した。そして、訴訟法レヴェルにおける研究方法と規範的法価値論・メタ法価値論との相関関係を明らかにした(35~40頁所収)。

5.禁反言への「言語分析」適用について(一)
単著
1986 (昭和61) 年11月20日
上戸学園女子短期大学紀要16号
 民法1条2項や民事訴訟法2条で規定されている信義則の個別的法命題の一つに禁反言(先行行為に矛盾する行為の禁止)という法命題がある。分析哲学で重視されている言語分析を禁反言に適用することで禁反言の法理の解明を試みた(7~10頁所収)。この研究が、平成5年度から発足した文部省科学研究費重点領域研究『法律エキスパートシステムの開発研究―法的知識構造の解明と法的推論の実現』の公募研究に応募するきっかけとなったものである。

6.禁反言への「言語分析」適用について(二)
単著
1987 (昭和62) 年12月10日
瀬戸内短期大学紀要17号
 民法1条2項や民事訴訟法2条で規定されている信義則の個別的法命題の一つに禁反言という法命題があるが、分析哲学や論理法学で重視されている言語分析・論理分析を禁反言に適用することで禁反言の法理の解明を試みた。この研究も、平成5年度から発足した文部省科学研究費重点領域研究『法律エキスパートシステムの開発研究―法的知識構造の解明と法的推論の実現』の公募研究に応募するきっかけになった。特に命題論理学を用いて禁反言の言語分析を行った(27~32頁所収)。

7.「道徳的社会化」への一つの実際的アプロウチ
共著
1987 (昭和62) 年12月10日
瀬戸内短期大学紀要17号
 担当部分:全般にわたって執筆(33~50頁所収)。社会化とは個人が他の人々との相互影響を通じて、社会的に重要な行動や経験について発達していく過程である。法律学の分野では、信義則という道徳的色彩の強い法原則があるが、信義則の思想的背景には、法的正義の考え方が横たわっていると言われている。そこで、法的正義とは何かを探る上で、法と密接不可分の関係にある道徳的社会化について考察を加えた。
(共著者:平田勇人(1st)、高根秀人)

8.平田勇人要約・カルガドス著「ギリシャにおける集合利益の裁判上の保護―世界の公共・拡散利益の代表に関する法制(3)」
単著
1987 (昭和62) 年12月30日
中央大学日本比較法研究所発行比較法雑誌21巻3号
 公共・拡散利益の代表に関する法制の比較研究計画の一環としてヴュルツブルクの民事訴訟国際会議に提出されたカルガドス教授による国別報告書に基づき、ギリシャにおける法制を紹介し、コメントを加えたものである(99~112頁所収)。リゾートビジネスで自然保護団体とのクラス訴訟が問題になっているが、平田は、①ギリシャ公法上の団体訴訟が利他主義・理念上の団体訴訟に分類されていることから、個人の利己心や権力者の打算を越えた法の客観的理念が考慮されている点と、②拡散・集合利益保護の問題は、民事訴訟法が理性を絶えず考慮に入れる法秩序である点を指摘した。

9.禁反言への「言語分析」適用について(三・完)
単著
1988 (昭和63) 年12月10日
瀬戸内短期大学紀要18号
 民法1条2項や民事訴訟法2条で規定されている信義則の個別的法命題の一つに禁反言という法命題があるが、分析哲学や論理法学で重視されている言語分析・論理分析を禁反言に適用することで禁反言の法理の解明を試みた。この研究も、平成5年度から発足した文部省科学研究費重点領域研究『法律エキスパートシステムの開発研究―法的知識構造の解明と法的推論の実現』の公募研究に応募するきっかけになった。今回は述語論理を用いて言語分析した(51~57頁所収)。

10.「複合社会化のエージェント」としての学校の役割
共著
1988 (昭和63) 年12月10日
瀬戸内短期大学紀要18号
 担当部分:英文サマリー、法的規範の箇所は平田が執筆し、それ以外は高根が執筆(59~67頁所収)。社会化とは個人が他の人々との相互影響を通じて、社会的に重要な行動や経験について発達していく過程である。法律学の分野では、信義則という道徳的色彩の強い法原則があるが、今回は社会化の個別領域の研究と関連して複合社会化の問題を取り上げるべく、道徳・倫理や法的規範が学校でどのように教育されているのかを中心に、エージェントの方向から取り組んでみた。
(共著者:平田勇人(1st)、高根秀人)

11.「法的社会化」概念への視角
共著
1989 (平成元) 年12月10日
瀬戸内短期大学紀要19号
 担当部分:政治的社会化に関する箇所は高根が担当し、それ以外はすべて平田が担当した(121~126頁所収)。社会化の個別領域の研究の一つである。法的社会化においては言語が重要な役割を果たしているとともに、法による社会統制は言語により行われていることが分かった。こうしたことから、法の諸概念の言語分析や論理分析という研究とつながりが出てくることを指摘した。特に、信義則という道徳的色彩の強い法原則の言語分析・論理分析の重要性を裏付けるための分析と位置づけている。
(共著者:平田勇人(1st)、高根秀人)

12.民主主義的訴訟と全体主義的訴訟
共著
1990 (平成 2) 年2月20日
四国学院大学創立40周年記念論文集
 担当部分:全般にわたって担当(353~364頁所収)。法には社会統制技術的な側面があり、全体主義的な国家が社会統制技術を最も有効に活用したことを考えると、権力の強制的な統制作用をいかに制御するかといったことが重要になってくる。特に第一次統制作用の強い刑事訴訟法や民事訴訟法などの領域では権力自身を統制する第二次統制機能への要求がそれだけ大きい。訴訟法の有する社会統制技術的側面や機能について考察し、しかる後に民主主義的訴訟と全体主義的訴訟との違いについて論じた。(共同著者:吉尾直純(1st)、平田勇人)

13.青年前期・「政治的社会化」への一つの実際的アプロウチ
共著
1991 (平成 3) 年3月1日
瀬戸内短期大学紀要20号
 担当部分:英文サマリー、はじめに、おわりには平田が担当し、それ以外は高根が担当した(93~103頁所収)。平田・高根は境界領域的な問題領域である社会化研究に共同で取り組み、個別的社会化研究を積み重ねてきた。本稿はそうした個別領域研究の一つである。社会化と社会統制の密接な関係を明らかにする上で「政治的」観点は重要であるとの認識に基づき、分析をした。青年前期の子供たちが、一番偉いと思う人、多くの人から畏れられている人、大きくなったらなりたいと思う職業に裁判官が高順位に位置している結果は興味深い。
(共著者:高根秀人(1st)、平田勇人)

14. A Study of the Doctrine of Estoppel(1) ― A Semantic Approach
単著(英文)
1991 (平成 3) 年12月30日
瀬戸内短期大学紀要21号
 イギリス法では禁反言に関する判例は当該事案についての個別具体的判断であると同時に、将来の事案に対する抽象的かつ一般的な価値判断の原理を内包しつつ蓄積され、類型化されてきている。しかし禁反言がいかに多義的に発展しようとも、統合的な意味構造をしていることを指摘した。ケンブリッジ大学クィーンズ・カレッジに留学し、フェンティマン教授の指導の下で禁反言について研究してきた成果の一部をまとめて英文で執筆した(13~18頁所収)。

15.信義則に基づく法的推論過程のメタルール抽出について―法律知識ベース構築のために
単著
1994 (平成 6) 年3月15日
科研費(重点領域研究)「法律エキスパートシステムの開発研究―法的知識構造の解明と法的推論の実現―」平成5年度研究成果報告書
 科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」は、国際ビジネス・国際取引法の明日をリードするウィーン売買条約を研究分析対象とし、平田は、ウィーン売買条約第7条第1項(信義則規定)の分析をするため、平成5年度は信義則の個別的法命題である禁反言に基づく法的推論過程のメタルール抽出を行った。禁反言自体が指針的役割を果たしているが、更に禁反言の適用に当たって考慮しなければならない具体的諸要素こそが、法的推論を制御するためのメタルールと位置づけられる点に着目し、述語論理を用いて論理分析を行った(190~197頁所収)。

16.信義則に基づく法的推論過程のメタルール抽出について(その1)
単著
1994 (平成 6) 年12月30日
瀬戸内短期大学紀要24号
 本稿は平成5年度の科学研究費補助金研究の研究成果報告書で割愛せざるを得なかった部分を加筆してまとめたものである。科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」は、国際ビジネス・国際取引法の明日をリードするウィーン売買条約(国際物品売買契約に関する国連条約)を研究分析対象とし、平田は、ウィーン売買条約第7条第1項(信義則規定)の分析をするため、信義則論、禁反言の種類について考察し、禁反言に基づく法的推論過程のメタルールの論理分析について説明した(7~18頁所収)。

17.信義則に基づく法的推論過程のメタルール抽出について―法律知識ベース構築のために
単著
1995 (平成 7) 年3月16日
科研費(重点領域研究)「法律エキスパートシステムの開発研究―法的知識構造の解明と法的推論の実現―」平成6年度研究成果報告書
 科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」は、国際取引法の明日をリードするウィーン売買条約(国際物品売買契約に関する国連条約)を研究分析対象とし、平田は、ウィーン売買条約第7条第1項(信義則規定)の分析をするため、平成6年度は、Gerhard Struck教授が作成したTopoikatalogの中でも禁反言(平成5年度に研究)以外の、信義則と関連の深い法原則について考察した。今回は特に禁反言以外の、信義則の個別的法命題に基づく法的推論過程の論理流図を三つ作成し、さらにこれらの法的推論過程を制御するメタルールを抽出した(137~144頁所収)。

18.On the Extraction of Meta-rules of Legal Reasoning Process on the Basis of Fair and Equitable Principle ― For the Construction of Legal Knowledge Base
単著(英文)
1995 (平成 7) 年3月16日
科研費(重点領域研究)「法律エキスパートシステムの開発研究―法的知識構造の解明と法的推論の実現―」平成6年度研究成果報告書
 科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」は、国際ビジネス・国際取引法の明日をリードするウィーン売買条約(国際物品売買契約に関する国連条約)を研究分析対象とし、平田は、ウィーン売買条約第7条第1項(信義則規定)の分析を担当している。外国研究者に科研費重点領域「法律エキスパート」平成6年度の本研究成果を紹介すべく、詳細かつ、わかりやすく信義則に基づく法的推論過程およびそれを制御するメタルールについて紹介した(145~149頁所収)。

19.信義則に基づく法的推論過程のメタルール抽出について(その2)
単著
1995 (平成 7) 年12月30日
瀬戸内短期大学紀要25号
 科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」は、国際取引法の明日をリードするウィーン売買条約(国際物品売買契約に関する国連条約)を研究分析対象とし、平田は、ウィーン売買条約第7条第1項(信義則規定)の分析を担当している。本稿は、平成6年度科研費研究成果報告書をベースにして加筆修正したものである。特に法的価値判断の問題および今後の研究課題について新たに書き加えた(49~58頁所収)。

20.Legal Reasoning Process on the Basis of Fair and Equitable Principle
単著(英文)
1995 (平成 7) 年12月30日
瀬戸内短期大学紀要25号
 科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」は、国際取引法の明日をリードするウィーン売買条約(国際物品売買契約に関する国連条約)を研究分析対象とし、平田は、ウィーン売買条約第7条第1項(信義則規定)の分析を担当している。法律エキスパートシステムが国内だけでなく世界的に研究されていることに鑑み、平成5・6年度の研究成果を集大成して英語で作成した。論理流図もすべて新たに作り直した(59~67頁所収)。

21.メタ知識の観点からの法的トポス―国連売買条約における信義則の理解のために
単著
1997 (平成 9) 年2月21日
科研費(重点領域研究)「法律エキスパートシステムの開発研究―法的知識構造の解明と法的推論の実現―」平成8年度研究成果報告書
 科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」は、国際ビジネス・国際取引法の明日をリードするウィーン売買条約(国際物品売買契約に関する国連条約)を研究分析対象とし、平田は、ウィーン売買条約第7条第1項(信義則規定)の分析を担当している。本稿においては、国際ビジネス実務における法的問題処理に際して、その基礎となる以下の知識の分析を行った。すなわち、体系思考、トピク的思考、可動的体系、一般条項、国連売買条約における信義則、法的価値判断に関する多くのメタ知識についてのテーゼを抽出した(139~147頁所収)。

22.Legal Topic in terms of Legal Meta-knowledge ─ Toward a better Understanding of Good Faith in CISG
単著(英文)
1997 (平成 9) 年2月21日
科研費(重点領域研究)「法律エキスパートシステムの開発研究─法的知識構造の解明と法的推論の実現─」平成8年度研究成果報告書
 科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」は、国際取引法の明日をリードするウィーン売買条約(国際物品売買契約に関する国連条約)を研究分析対象とし、平田は、ウィーン売買条約第7条第1項(信義則規定)の分析を担当している。本稿は、外国研究者に科研費重点領域「法律エキスパート」平成8年度の本研究成果(ウィーン売買条約における信義則理解の基礎となる知識の分析)を紹介すべく、詳細かつ、わかりやすく英語で紹介した(148~155頁所収)。

23.国際貿易における信義の遵守
単著
1997 (平成 9) 年3月20日
高松大学紀要27号(高松大学開学記念号)
 国際取引の分野で、信義の遵守は重要な役割を担っている。法的トポスすなわち信義則の法命題が国際取引において、どのように機能しているかについて説明した(284~299頁所収)。その基礎にあるのは、国際取引法の明日をリードするウィーン売買条約(国際物品売買契約に関する国連条約)を研究分析対象とする科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」において、平田が、ウィーン売買条約第7条第1項(信義則規定)の分析を通じて得た知識である。

24.信義則をめぐる背景知識の体系的整理
単著
1998 (平成10) 年3月20日
科研費(重点領域研究)「法律エキスパートシステムの開発研究─法的知識構造の解明と法的推論の実現─」平成5~9年度研究成果報告書
 科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」は、国際ビジネス・国際取引法の明日をリードするウィーン売買条約(国際物品売買契約に関する国連条約)を研究分析対象とし、平田は、ウィーン売買条約第7条第1項(信義則規定)の分析を担当している。主に平成8年度に抽出した、体系思考、トピク的思考、可動的体系、一般条項、国連売買条約における信義則、法的価値判断に関する多くのメタ知識を体系的に整理した(149~156頁所収)。

25.実態調査に基づく民事訴訟実務の計量分析
共著
1998 (平成10) 年3月
科研費(基盤研究[A])「実態調査に基づく民事訴訟実務の計量分析」平成7~9年度研究成果報告書
 担当部分:地裁合計調査件数1300件中、高松地裁100件。高松地裁データ分析は三谷氏と共同で行ったため、担当部分抽出不可能。報告書の総頁数 1,084頁。全国規模で訴訟記録を中心に民事訴訟(ビジネスを巡る紛争も数多く含まれている)の実態調査を行い、得られたデータの比較検討を通じて、今回の民事訴訟法の大改正の成果を計量的に分析・評価することを目的とした共同研究である。
(研究代表者:竹下守夫)
(研究分担者:河野正憲、徳田和幸、佐藤鉄男、田辺誠、三谷忠之、菅原郁夫、上原敏夫、田頭章一、平田勇人、川嶋四郎)

26.A Systematization of Background Knowledge of the Fair and Equitable Principle
単著(英文)
1998 (平成10) 年10月9日
Yoshino,Hajime(ed.), Research on Development of Legal Expert System―Clarification of Legal Knowledge Structure and Implementation of Legal Reasoning―,Study Report 1998
 文部科学省科学研究費(重点領域研究)「法律エキスパート」は、国際ビジネス・国際取引法の明日をリードするウィーン売買条約(国際物品売買契約に関する国連条約)を研究分析対象とし、平田は、ウィーン売買条約第7条第1項(信義則規定)の分析を担当している。外国研究者に科研費重点領域「法律エキスパート」平成5~9年度の本研究成果を紹介すべく、詳細かつ、わかりやすく英語で紹介した(74~89頁所収)。

27.The Fair and Equitable Principle and its Background Knowledge
単著(英文)
1998 (平成10) 年10月
高松大学紀要第30号
 民法、商法、民訴法等で重要な機能を営む信義誠実の原則(信義則)の背景知識を体系的に整理した(13~32頁所収)。特に、民事訴訟法においては平成8年度の法改正により信義則規定が新設された(2条)。そのベースとなる知識は、国際取引法の明日をリードするウィーン売買条約(国際物品売買契約に関する国連条約)を研究分析対象とする科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」で、平田がウィーン売買条約第7条第1項(信義則規定)の分析を通して得た知識である。

28.民事訴訟はどう進める
単著
1999 (平成11) 年9月21日
中央経済社発行・ビジネス実務法務1999年第2巻第10号
 旧民事訴訟法(大正15年法61号)は、その後の急激な社会情勢の変化に適合できなくなり、平成10年から新民事訴訟法(平成8年法109号)が施行されている。信義則規定も第2条で明文化されている。本稿では、新民事訴訟法の流れをフローチャートで示し、その流れに沿って、できるだけ具体的に解説し、訴状のサンプル(表紙ならびにその具体的書式)、答弁書のサンプル(その具体的書式)等の図も用いて解説した(48~50頁所収)。

29.信義則をめぐる背景知識の体系的整理(改訂版)
単著
2000 (平成12) 年3月
科研費(重点領域研究)「法律エキスパートシステムの開発研究─法的知識構造の解明と法的推論の実現─」平成5~9年度研究成果報告書(改訂版)
 科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」は、国際取引法の明日をリードするウィーン売買条約(国際物品売買契約に関する国連条約)を研究分析対象とし、平田は、ウィーン売買条約第7条第1項(信義則規定)の分析を担当している。本稿は、平成10年3月刊行の研究成果報告書に対して、平成5~9年度の研究成果をまとめるという観点から加筆修正した、最終版の研究成果報告書である(189~204頁所収)。

30.アメリカの裁判制度
単著
2000 (平成12) 年6月21日
中央経済社発行・ビジネス実務法務2000年第3巻第6号
 ビジネスマンにとって国際取引が活発化している今日において、アメリカの裁判制度を知る意味は大きい。アメリカの民事訴訟手続は、英米法システム、連邦と州の2本立て、陪審制度が原則であり、対審的性格という特色がある。こうしたアメリカの裁判制度を、裁判組織、民事訴訟の進め方について、フローチャート等を用いて解説した。そして、ディスカバリーと陪審制度の持つ問題点を指摘した(89~92頁所収)。

31.少額訴訟を活用しよう
単著
2000 (平成12) 年9月21日
中央経済社発行・ビジネス実務法務2000年第3巻第10号
 少額訴訟制度は、簡易裁判所において30万以下の金銭債権を、原則1回で審理を終えて(平均30分~1時間ほど)、即日判決を下す訴訟制度であり、本人自身で訴訟追行できることを説明した。具体的に、民事訴訟法手続の中で、少額訴訟について、その概要、訴訟の進め方、少額訴訟の特色、少額訴訟判決に対する不服申立、強制執行、訴状のサンプル等を、フローチャート等を用いて解説した(90~94頁所収)。

32.民事紛争処理のしくみ
単著
2001 (平成13) 年6月21日
中央経済社発行・ビジネス法務2001年第1巻第4号
 インターネットの普及や経済のグローバル化に伴い、国際民事紛争に巻込まれる法的リスクが増大している。そうしたことから、リーガルリスク・マネジメントについて説明し、民事紛争処理には、相対交渉(当事者間の交渉)、裁判、裁判外紛争処理の3種あることを指摘し、裁判による紛争処理と、裁判外紛争処理について解説した。特に各種のADRについて、図表にして詳細に解説した(102~107頁所収)。

33.まとめて整理  民事再生手続
単著
2002 (平成14) 年2月21日
中央経済社発行・ビジネス法務2002年第2巻第2号
 2000年4月1日から民事再生法が施行された。民事再生法は和議法に代わる手続として、広範な利用対象、保全処分の充実、手続開始要件の緩和、簡易・迅速処理、再生手続の多様なバリエーション、債権者の同意要件緩和、履行確保制度の充実、国際倒産規定の整備といった特徴を持っていることを中心に解説し、図表等も用いて説明した。また、個人債務者の再生手続についても、同様に解説した(88~92頁所収)。

34.判例研究「株主代表訴訟の被告取締役側への会社の補助参加が認められた事例―最高裁第一小法廷平成13年1月30日決定」
単著
2002 (平成14) 年4月21日
中央経済社発行・ビジネス法務2002年第2巻第4号
 平成13年12月15日日本ビジネス実務法研究会主催・第11回研究会(関西特許情報センター)で、「株主代表訴訟の被告取締役側への会社の補助参加が認められた事例」(最一小決平成13年1月30日判決、判時1740号3頁、判タ1054号106頁)について行った報告をベースにして、中央経済社発行『ビジネス法務』判例ニューウェーブ欄に掲載。会社の被告側補助参加の問題点、学説の状況、主な裁判例、今後の展望などについて述べた(100~104頁所収)。

35.知的財産権紛争と裁判外紛争解決制度(その1)
単著
2002 (平成14) 年12月20日
愛知産業大学経営研究所所報第5号
 知的財産権紛争といえども、訴訟となると民事訴訟法が適用される。新民事訴訟法ならびに新弁理士法との関わりで考察した後、わが国においても最近注目されている裁判外紛争解決制度(ADR)について訴訟手続と比較検討を行った(49~62頁所収)。

36.インターネットの紛争解決手続
単著
2003 (平成15) 年2月21日
中央経済社発行・ビジネス法務2003年第3巻第2号
 国際裁判管轄に関するわが国のルールとアメリカの裁判管轄権を中心に考察した。日米貿易関係やネット上の商取引の現状から推察すると、日米間で紛争が発生する可能性はきわめて高く、そうした理由から両国のルールの比較を行ったが、結論的には今後、インターネットを巡るビジネス紛争において、国際商事仲裁がますます魅力的になると主張した(85~90頁所収)。

37.国際契約法における信義則
単著
2003 (平成15) 年11月30日
廣島法学第27巻第2号(広島大学法学会)
 紺谷浩司先生退官記念号。63-94頁。国際契約法において、信義則がいかに重要であり、機能しているかについて考察するため、CISG、UNIDROIT、PECLにおける信義則関連の規定を抽出し、分析をし、それに基づいてテーゼを定立した。

38.倒産法制の近時の動向について
単著
2004 (平成16) 年経営実務法研究(日本経営実務法学会誌)
 平成15年7月19日開催の第6回日本経営実務法学会「経営実務法レポート」において報告した「倒産法制の近時の動向について」というテーマの内容にさらに加筆修正を加えて、学会誌「経営実務法研究6号」に掲載(47~72頁)。

39.契約上の義務の履行における信義則
単著
2004 (平成16) 年12月20日
愛知産業大学経営研究所所報第7号
 経済のグローバル化に伴って、国際取引に関する民事紛争が増加し、法的伝統あるいは政治・経済条件にかかわりなく、信頼して利用できる衡平なルールが今日、求められている。本稿では、国際契約法における信義則規定について概観した後、英米法系に属する米国コロンビア大学教授 E Allan Farnsworth の“Good Faith in Contract Performance”という論文を手掛かりとして、契約上の義務の履行における信義則の問題について考察した(79~88頁)。


40.トピク的思考の観点からの信義則の法解釈学的考察
単著
2005 (平成17) 年3月
名古屋大学法政論集第207号(47~94頁)
 本稿では、一般法的な信義則と特別法的な信義則との一見矛盾する関係について分析し、パラドックスがいかに回避されるかについて考察した。次に、これまで抽出した法命題を基にして分析し、信義則のあり方について一つの結論を導き出した。さらに、具体的妥当性と論理の整合性の調和について考察した。具体的妥当性と論理の整合性の調和に関して、構造的思考が重視される。ここで、「判断基準Topos-36」という法的トポスを軸にして信義則に基づく法解釈のメカニズムを明らかにした。信義則は、ボトム・アップ思考とトップ・ダウン思考のバランスを保つ際に、さらに大きな包括的メタ概念として存在し、両方の判断基準に入り込んでいるのである。また、実定法体系の基礎となっている基本的価値体系の構造に基づいてトポイカタログを体系化したものを、本稿においては二つの具体的事例と関連付けながら考察した。


41.法創造における法的価値判断のあり方(全期分成果報告)
単著
2006 (平成18) 年8月
 科研費(特別推進研究)「法創造教育方法の開発研究―法創造科学に向けて─」平成18年8月法創造研究会合宿・研究成果報告書(全期分成果報告書(101・102頁)。


42.法的価値判断における法的価値関数について(平成18年度中間成果報告)
2006 (平成18) 年8月
 科研費(特別推進研究)「法創造教育方法の開発研究―法創造科学に向けて─」平成18年8月法創造研究会合宿・研究成果報告書(全期分成果報告書(103・104頁)。


43.法創造における法的価値判断のあり方―民事紛争処理との関わりにおいて―
単著
2006 (平成18) 年(投稿済み)
 科研費(特別推進研究)「法創造教育方法の開発研究―法創造科学に向けて─」平成17年度研究成果報告書(17年度の報告書の出版が遅れているが、明治学院大学に原稿は提出済み)


44.判断における法的価値関数について―法創造教育への活用―
単著
2006 (平成18) 年10月13・14日
 科研費・2002 (平成14) 年度~2006 (平成18) 年度特別推進研究(1)「法創造教育方法の開発研究―法創造科学に向けて─」(課題番号14001003)平成18年度研究成果報告会予稿集
 研究成果報告会での諸先生方のご意見を参考にしながら、本稿を加筆修正して、科研費出版助成金により、新たに別の出版社から出版予定(1-1~9頁所収)。なお、この原稿の他、当日配布された日英対訳版のパワーポイント原稿資料もある(19シート)。


45.【最終成果報告書用】 判断における法的価値関数について―法創造教育への活用―
単著
2007 (平成19) 年3月15日
 科研費・2002 (平成14) 年度~2006 (平成18) 年度特別推進研究「法創造教育方法の開発研究―法創造科学に向けて─」(課題番号14001003)研究成果報告書(267~281頁所収)。
本報告書は文部科学省に提出されるとともに、国立国会図書館に蔵書されている、きわめて重要な位置づけにある論文であると同時に、過去5年間の研究プロジェクトの研究成果の全体報告となるものである。
 法的価値判断に関しては、もはや法律家の高度専門的な職人技に近いブラックボックス化された状態のままであってはならないと考える。むしろブラックボックスから開放されることで、その高度専門的職人技に含まれる暗黙知の体系化を通して、法学教育や司法試験、さらにはADRの実務等にも役立つと考えている。法律家の洗練された洞察や直感といった脳高次機能のプロセスから、客観的な価値評価軸を抽出することこそが重要であるとの考え方に基づいて、日頃の民事調停実務における紛争解決事例における法的価値判断の価値評価軸を分析しつつ、法的価値関数という考え方に至ったのである。システム生命情報科学が、人が人である所以の脳高次機能、すなわち価値判断のプロセスとその多様性がどのようにして現出するかを科学的に解明しつつあるように、筆者は複雑系であるが故にこれまで困難であると考えられてきた、法律家が法律家である所以の脳高次機能、すなわち法的価値判断のプロセスとその多様性がどのようにして現出するかを、科学的に解明することこそが、法律エキスパートシステムの更なる飛躍的発展へとつながり、また、法創造教育にとってもきわめて有効であり、ひいては法律学が法律科学と一般に呼ばれる日が来ると確信している。


46.オンラインADR対応型の法律エキスパートシステムの展望

単著
2007 (平成19) 年5月
法学新報113巻9・10号『小島武司先生古稀記念論文集』(中央大学出版部、2007)
  法律エキスパートシステムは、法律家の諸知識を法律知識ベースに搭載し、相談事例が入力されると法的推論を行い、現行法体系の下でいかなる法的判断がなされるべきかを出力してくれるシステムである。筆者は、科研費(重点領域研究)「法律エキスパートシステム」研究開発プロジェクト(1993-1998)に参加して、信義則に基づく法的推論のメカニズム解明に取り組んできた。同プロジェクト終了後は、これらの成果を法学教育に応用する方向で、科研費(特別推進研究)「法創造教育方法の開発研究」(2002-2007)という形で、吉野教授を代表として展開が図られ、筆者も法的価値判断(Legal Value Judgment)ならびに法的価値関数(Legal Value Function)の研究に取り組んできた。本稿では、海外のオンラインADRの現状も踏まえて、次世代型ユーザ支援システムであるオンラインADR対応型法律エキスパートシステムについて考察した。その際、科研費「法律エキスパート」ならびに「法創造教育方法の開発研究」の両プロジェクトを通じて最先端技術を惜しみなく投入されている東京工業大学大学院教授の新田克己博士(知能システム科学専攻)の開発した先進的かつ革新的な「オンライン調停教育支援システム」を紹介し、裁判所民事調停委員としての筆者自身の経験に照らし合わせながら考察を加えた(掲載論文要旨:15頁。論文本体:413~444頁所収)。


47.知的財産権紛争におけるADR
単著
2007 (平成19) 年12月20日
『朝日大学法学部創立20周年記念論文集』(成文堂、2007)
 
インターネットによる国境を越えた知的財産権の侵害に対して、世界中の様々な国々で紛争解決におけるIT技術の活用が真剣に検討されている。本稿は、筆者が科学研究費(重点領域研究)「法律エキスパートシステムの開発研究」(1993~1996)ならびに科学研究費(特別推進研究)「法創造教育方法の開発研究」(2002~2007)の両プロジェクトに参加して研究を進めてきた成果の一部を「知的財産権紛争におけるADR」の観点から公表することを目的としている。かつて筆者は、知的財産権紛争は、当該技術の複雑化・高度化・国際化ゆえに一国の訴訟制度では迅速かつ円滑に処理できなくなってきていることを指摘し、高度な特許等の紛争に対応できる専門家による知的財産権紛争処理の方法について考察し、特に、知的財産権紛争の裁判外紛争解決制度(ADR)の2002年当時の現状、問題点、課題について考察した。あれから、知的財産関係訴訟の充実・迅速化は着実に効果をあげて来ているのに対し、知的財産権紛争の解決手段としてADRが社会的認知を受けているとは現段階では言いがたい。しかし、ADRもオフライと並んでオンライン上で着実に進化しており、ADRをめぐる状況も大きく変化してきている。本稿においては、知的財産権紛争に対して、ADRの中でも特にオンラインADR(サイバーADR)の可能性に着目して考察した(249~311頁所収)。なお、筆者は編集委員の一人として、『朝日大学法学部創立20周年記念論文集』(執筆者:阿部竹松、齋藤康輝、三原憲三、大野正博、遠藤隆幸、中村良、平田勇人、本間学、粟津明博、三田清)の編集に携わった。


48民事調停の基層にあるもの(中国語に翻訳されて北京から出版)
単著
小島武司先生古稀記念論文集『21世紀日本の民事訴訟法とその基層にあるもの』(近刊予定・投稿済み)
 本稿では、中国の法律家・研究者を対象に、できる限り正確に日本における民事調停の位置づけを客観的に解説し、また、民事調停の理論及び実務の現状について説明した後で、恩師である中央大学法科大学院教授の小島武司先生の提唱される「正義の総合システム」における民事調停の役割等について論述した。


49.紛争処理における価値判断―法創造科学に向けて―
単著
2008 (平成20) 年3月発行
朝日法学論集第35号
 科研費・平成14年度~18年度特別推進研究「法創造教育方法の開発研究―法創造科学に向けて─」(課題番号14001003)研究成果報告書(267~281頁)に基づく、平成19年3月のシンポジウムでの質疑応答の内容に基づき、論文タイトルを「判断における法的価値関数について―法創造教育への活用―」から、「紛争処理における価値判断―法創造科学に向けて―」に変更すると共に、3月のシンポジウムでの報告書を改訂したものである。反証推論に関する吉野一教授の諸論文(日本語・ドイツ語)を入手して引用すると共に、法の科学を目指す「論理法学」の重要性を強調して、前回の内容を加筆修正したものであり、過去5年間の研究成果の全体報告の修正改訂版となるものである。そして、この論文は、吉野教授が別に出版助成を申請している単行本のベースとなる原稿である(79~114頁所収)。



50.紛争解決における法的価値判断

単著
2008 (平成20) 年8月23日発行
小島武司先生古稀祝賀『民事司法の法理と政策 【下巻】』(商事法務、2008)所収。
 筆者は、科研費(特別推進研究)「法創造教育方法の開発研究―法創造科学に向けて」の研究協力者として、法適用における法創造の原理と方法を考察すべく研究している。法創造は、吉野一教授によれば、法的問題解決のために適切な法命題を新たに創り出すことを指す。法創造教育研究会において、法創造は、立法ばかりでなく法の適用過程においても行われ、また適切に事例問題を解決するために、個々の資料を法ルールに照らして整理して事実文と、それに対する法的決定文を創設し、さらにそれを正当化するための法ルール文を具体化と体系化の方向で創設し、抽出したこれらの法的知識の妥当性を反証推論によって検証する過程として、その構造を解明する基礎理論が構築されている。ところで今日、これまで困難とされてきた、人が人である所以の脳高次機能(価値判断のプロセス)がどのようにして現出するかが解明されつつある。本稿においては、小島武司教授の提唱される「正義の総合システム」理論をx軸に、ピエロ・カラマンドレーイの『訴訟と民主主義』において貫かれている考え方をy軸に、そして、法創造の原理と方法論をz軸にして、法律家の高度専門的な脳高次機能、すなわち法的価値判断の構造を立体的に考察した(下巻〔第4部:司法制度〕183~211頁所収)。


51.国際合同法上的誠実信用原則
平田勇人著 ・庄玉友 訳・ 李国安 校
2008 (平成20) 年9月刊行
中華人民共和国『民商法論叢』(編集主幹:梁彗星氏)第41巻所収
 平田勇人「国際契約法における信義則」(廣島法学第27巻第2号63-94頁、平成15年11月)を、中国廈門大学大学院博士後期課程の庄玉友さんが中国語に翻訳し、同大学教授の李国安教授がそれを校正し、 中国で民商法分野で最も権威のある雑誌『民商法論叢』(編集主幹:梁彗星氏)第41巻(9月出版)の503~526頁に掲載されました。紺谷浩司先生退官記念号で発表した右論文は、国際契約法において、信義則がいかに重要であり、機能しているかについて考察するため、CISG、UNIDROIT、PECLにおける信義則関連の規定を抽出し、分析をし、それに基づいてテーゼを定立したもので、庄玉友さんと李国安教授の労に深く感謝いたします。私の論文が、中国の研究者のお役に立てれば幸いです。


52.論理法学とオンラインADR
単著
2008 (平成20) 年12月刊行
名古屋大学法政論集第227号『加藤雅信教授退職記念論文集』
 名古屋大学大学院博士後期課程時代の恩師である加藤雅信先生(現在、上智大学法科大学院教授、アンダーソン・毛利・友常法律事務所弁護士)の退職記念論文集に、論理法学とオンラインADRの関係についての最先端の内容を紹介すべく執筆(29~52頁所収)。
 平田は、大学法学部ならびに大学院修士課程時代は、民事訴訟法を専攻し、大学院博士後期課程時代は名古屋大学で民法を専攻したが、名古屋大学では、加賀山茂教授・加藤雅信教授・千葉恵美子教授・田高寛貴教授から民法学を丁寧かつ厳しく指導していただき、民法と民事訴訟法がちょうどコインの裏表の関係にあることを深く学ばせていただきました。
 本稿においては、複雑系であるがゆえに、これまで困難であると考えられてきた法的価値判断プロセスとその多様性が、どのようにして現出するのかを科学的に解明することを目指す論理法学が、法律エキスパートシステムや調停教育支援システムの更なる飛躍的展開へと繋がることを明らかにし、調停実務に立脚した法的価値判断の研究を通して、オンラインADRやオンライン調停教育支援システムへの理論的基盤足りうる論理法学の重要性を説いた。またケンブリッジ大学で研究した内容の一つである「法的価値関数」についても言及している。


53.信義則に基づく法的価値判断
単著
2009 (平成21) 年2月10日発行
朝日法学論集第36号
 本稿は、拙著『信義則とその基層にあるもの』(成文堂、平成18)の第3章の部分を以下の観点から、その後の研究成果を踏まえて考察したものである。
 考察するにあたって、過去5年間の科研費研究プロジェクトの研究成果の全体報告となる、科研費(特別推進研究)2002~2006年度研究成果報告書『法創造教育方法の開発研究ー法創造科学に向けてー』に所収の拙稿「判断における法的価値関数についてー法創造教育への活用」をベースにして、次の観点からさらに分析した。
まず、Adam Smith の『道徳情操論』、第2にHans Kelsen の諸論文、第3にHans Reichenbachの『科学哲学の形成』がそれである。


54.络ADR子商务纠纷处理机制
平田勇人著 ・王歓=李傑翻訳
2009 (平成21) 年2月25日刊行
中華人民共和国「法制與社会(Legal System And Society)」2009年第2期58-59頁 (学術雑誌)
本稿は、平田勇人の教え子の中国人留学生に、平田の学術論文を中国語に翻訳してもらって、中華人民共和国「法制與社会(Legal System And Society)」2009年第2期 (平田勇人著,王歓=李傑(中国語訳)) 58-59頁、 2009 (学術雑誌) に掲載したものである。同じタイトルの論文が、李偉群編著『中日民商法律制度比較研究』(共著、上海:学林出版社、平成21年)の161~172頁に掲載されているが、中国語の翻訳者が異なっているのと、同『中日民商法律制度比較研究』に掲載された論文の方が、その後の理論的実務的進展も加筆されており、詳しくはそちらを参照されたい。


55.信義則の民法条文への具体化について
単著
2011 (平成23) 年2月1日発行
朝日法学論集第40号
  信義則が民法全体を通じて各条文にどのように投影・具体化されているのかを検討した。民法の条文の後に、裁判所がどういった事案で、当該条文と信義則をどのように関連付けて判断したのかが分かるように表記を統一し(事件名、裁判結果、判例体系ID、裁判年月日・出典、参照法令)、しかる後に、条文ごとに考察を加えていった。拙著『信義則とその基層にあるもの』で挙げた法命題1「信義則は、明示・黙示を問わず、すべての条文の但し書きの中に存在する」、法命題2「信義則は、明示・黙示を問わず、常に各条文に存在する特別規定である」は、今回の分析でかなり検証できたと考える。そして、法命題3「一般条項による解決こそが、大陸法において具体的妥当性と、論理の整合性を調和しうる最も特色ある解釈方法である」についても、判例の中で、「具体的妥当性」という形で判示されているものもあった。特定の事案の中で、裁判官が条文を用いて判断する際に、信義則が判断基準としてどのように関わってきているのかを、民法の全条文に照らし合わせて考察する作業を通していえることは、信義則、権利濫用、公平・衡平、禁反言、失権、事情変更の原則、クリーンハンズの原則、悪意的な法律状態の創出、具体的妥当性、正義(配分的正義等)、信頼の保護等、表現は違っても信義則が民法の多くの条文に投影されていることを実証しており、大変参考になる点が多かった。そして、信義則が民法全体を通じて各条文に投影・具体化されていることを明らかにすることができたのではないかと考えている(1~119頁所収)。


56.現代イギリスの法事情ー革新と保守の対立を中心としてー
単著
2011 (平成23) 年4月発行
経営実務法研究第13号
  2009年はケンブリッジ大学創立800年にあたり、またイギリスに最高裁判所が設置された記念すべき年でもある。私はこの重要な年に、ケンブリッジ大学法学部から招聘されて留学した経験を基に、イギリスの裁判制度について紹介した。私は民事法(民法・民事訴訟法)が専門なので、本稿では民事法中心に説明した。 日本もCISGに加盟し、今後、国際取引においてCISGはますますその重要性を増すといわれている。そうした中で、なぜEUに属する先進国イギリスがまだCISGに加盟しないのか、そうした疑問を抱きながら、昨年ケンブリッジ大学から招聘されて研究する機会に恵まれた。イギリスがCISGを批准しない理由はいくつか考えられるが、Good Faithの持つ曖昧さがその原因のひとつであるといわれている。本報告においては、①Nathalie Hofmann,”Interpretation Rules and Good Faith as Obstacles to the UK's Ratification of the CISG and to the Harmonization of Contract Law in Europe,” 22 Pace International Law Review (2010) pp.145-181. ②Sally Moss,”Why the United Kingdom Has Not Ratified the CISG,” 25 Journal of Law and Commerce (2005) pp.483-485. ③Angelo Forte,”The United Nations Convention on Contracts for the International Sale of Goods: Reason or Unreason in the United Kingdom,” 26 University of Baltimore Law Review (1997) pp.51-66.の3論文を参考にして考察した(17~28頁所収)。


57.民事調停の基層にあるもの
単著
2011 (平成23) 年9月発行
朝日法学論集第41号
  できる限り現在の民事調停制度の現状を描写し、その可能性と問題点について論じた。まず、日本における民事調停の手続を概観した上で、民事調停の理論及び実務の状況について解説した。すなわち、1.民事調停の対象(民事の意義、家事紛争との関係、自然債務)、2.多様な紛争解決の連続性、3.民事調停の規範、4.民事調停の本質、5.民事調停の機能・存在理由、6.民事調停の種類、7.紛争に対する当事者の姿勢、8.利害に基づく交渉の理論、9.調停実務における同席方式と交互方式について論述した。  次に、小島武司教授の提唱する「正義の総合システム」の理論について紹介した。すなわち、1.羅針盤としての正義の総合システム、2.正義へのユビキタス・アクセス(訴訟とADRの相互補完、基軸としての仲裁、周辺としての調停)について論述した。  さらに、正義の女神の持つ意味について紹介した。すなわち、1.正義の女神と目隠し、2.調停手続における非公開性について論述した。  筆者は長年、地方裁判所ならびに簡易裁判所民事調停委員を務め(現在も担当)、各種の調停事例を数多くこなしてきた。裁判所のデータは非公開のため安易に利用できないが、同じ研究仲間が所属するADR機関の了解・協力を得て集積してきたデータを研究・教育用に、個人情報を最大限配慮して修正・加工を加えて、知能システム科学の立場から解析し、①調停現場の実用に耐えうる支援システム、さらに②法学教育(学部・大学院)にも役立つ支援システムの開発の意味について言及した(1~23頁所収)。


58.コンピュータによる調停支援の可能性
単著
2012 (平成24) 年4月発行
経営実務法研究第14号
  調停技法の伝承とも関連するが、裁判では各種の判例集があり、紛争解決事例として活用されている。家事調停の場合は、最高裁判所事務総局発行の『家庭裁判月報』に優れた解決法が掲載され活用されている。労働紛争の場合は、厚生労働省大臣官房地方課・労働紛争処理業務室が『個別労働紛争解決事例集』を刊行し、関係者のみではあるが活用されている(「取扱注意」扱い)。しかし、裁判所の民事調停の場合、『調停時報』はあっても『個別民事調停解決事例集』なるものは存在しない。個人情報の漏洩防止等の合理的理由があるにせよ、『個別民事調停解決事例集』なるものが作成されていないため、先輩調停委員の優れた紛争解決の妙案は、個別に見習いながら習得し、あるいは裁判所の主催する研究会等で習得していくしかないのである。なんとか個人情報保護と調停解決事例の集積の両立ができないものかと、コンピュータ活用の観点から考察を加えた(13~24頁所収)。


59.家事審判法から家事事件手続法へ
単著
2013 (平成25) 年4月発行
経営実務法研究第15号
  家事事件手続を国民が利用しやすく、社会に適合した内容にするため、家事事件手続に関する法制について、管轄、当事者及び代理人、家事審判及び家事調停の手続、不服申立て等の手続を整備し、参加、記録の閲覧謄写、陳述の聴取等の手続保障に関する規定を充実化するとともに、電話会議システム等による手続及び高等裁判所における調停等、家事事件手続の利便性の向上のための諸制度の新設等の措置がなされた。家族関係の紛争は、家庭裁判所が非公開の手続で、職権主義の下で具体的妥当性を図りながら処理することが可能な仕組みになっている。家庭裁判所は後見的な見地から、紛争解決に当たって、プライバシーに配慮しつつ柔軟な解決を目指してきた。ただ、調停前置主義(人事訴訟にいきなり進むのではなく、まず家事調停を行なって話し合う仕組み)となっているため、家庭裁判所の家事調停が不調に終わり、改めて人事訴訟によって解決したい場合に、これまでは家庭裁判所ではなく地方裁判所に訴訟を起こさなければならない等の問題もあった。しかし、平成16年から人事訴訟法の施行に伴い、夫婦、親子等の関係をめぐる訴訟についても家庭裁判所の管轄になり、家事調停も人事訴訟も家庭裁判所に一本化されたのである。さらに家庭裁判所では、関連請求の併合(人訴17条:人事訴訟に関連する損害賠償請求の審理が、家庭裁判所でできる)や附帯処分(人訴32条:離婚訴訟において、子の監護者を指定したり、財産分与を決めたり、あるいは養育料の支払いなどについても併せて裁判を行なうことができる)も1つの訴訟で同時に審理可能になった。また、家事審判法から家事事件手続法(平成25年に施行)へと移行したことを中心に解説した(83~92頁所収)。


60.Environmental Dispute Resolution from Mediation (or Conciliation)
単著
2013 (平成25) 年5月25日発行
International Conference 2013 "Development of Environmental Education and Dispute Procedure"
Organizede and published by Chung Ang University, and supported by Korea Environmental Industry & Technology Institute.
  平田は,韓国中央大学校のKim, Jeong In教授から,三重大学副学長の朴教授とともに,日本の大学から招待され,国際シンポジウムで英語で報告を行った。私の資料はすべて英語のため,ここで日本語で要約すると,日本においてソーラー発電等の代替エネルギーをめぐる紛争をいかに解決するか,ADRの立場から解説するとともに,朝日大学法学部や大学院で,東京工業大学(新田研究室)で開発されている最先端のシステムを使って,どのように教育しているか,そして今後の環境教育のあり方について報告した。(英文報告資料:1~18頁所収)


61.調停の科学ー信義則と調停の基層
単著
2013 (平成25) 年10月10日発行
朝日法学論集第44=45号
  本稿は、「信義則の基層」と「調停の基層」との共通性について考察することを目的とする。共通性がわかれば、共通した背景を媒介として、調停も「憲法と法律」の背景にある「法の原理・原則」に拘束されることが明らかになるからである。本稿において提示する主問は「信義則とその基層にあるものは何か?」である。そしてその結論は「信義則と調停の基層にあるものは基本的価値体系である」という命題に集約できる。法原理・法原則に基づいた解決は、必ずしも憲法や法律の条文どおりの解決ではないと考える。すなわち、判決は「憲法と法律」に拘束される(憲法76条3項)が、調停は必ずしも憲法と法律には拘束されない。しかし、憲法と法律の背景にある「法の原理・原則」には拘束されるのではないだろうか。(1~61頁所収)


62.The Reframing Detection Focused Attention on Topic Flow
単著(英文)
2015 (平成27) 年4月発行
経営実務法研究第17号(85~96頁所収)
  Reframing is one of the mediation techniques, but it depends on utterances and the context. Therefore it is difficult to detect reframing and provide its appropriate timing. I have been conducting a collaborative research with Professor Katsumi NITTA at the Interdisciplinary Graduate School of Science and Engineering, Tokyo Institute of Technology. To solve this problem, we focused attention on topic flow. In this process, we performed some mock conciliations to accumulate data for analysis. We paid our attention to seven kinds of reframing by Hall and Bodenhamer. This enables our system to detect and output a point and classification of the reframing with the help of computer software. When a user inputs argument log and does tagging on it, the system outputs a point and classification of reframing. The system will narrow down "Transition Pattern Filter of Utterance Role" and "Pattern Filter of Argument Structure & Issue Transition", and finally detect and output a point and classification of reframing. We used two analytical tools. The first tool mounts an editor building “Toulmin’s Diagram” expressing logical structure of arguments to detect the reframing. The second tool analyzes the structure of character data of mock conciliation using “KeyGraph”, which characterizes reframing as topic shift and visualizes, and then detects the reframing by use of these two analytical tools. We performed two experiments in this paper. As a result, we think these tools were effective. We want to pursue accuracy more in future.


63.話題の流れに着目したリフレーミング検出
単著
2016 (平成28) 年4月発行
経営実務法研究第18号
  リフレーミングは調停技術の一つである。それは発言と文脈に依存するため、リフレーミングの適切なタイミングを見つけるのは難しい。この問題を解決するため、筆者は東京工業大学(院)総合理工学研究科の新田克己教授と共同で模擬調停データの分析に取り組んでいる。我々は話題の流れに着目した。そして、HallとBodenhamerによる七種類のリフレーミングに着目した。東工大(院)の新田研究室で開発されたシステムは、リフレーミングを行うタイミングとその分類を検出して、それを出力することが出来る。ユーザが議論ログを入力して、それにタグ付けする時、システムがリフレーミングの箇所と種別を出力するという仕組みである。このシステムには「発言役割系列フィルタ」と「論証構造と論点遷移パターンフィルタ」が組み込まれている。このようにして、新田研究室が開発したシステムは最終的にリフレーミングの箇所と種別を検出するわけである。データ分析に当たって、我々は二つの分析ツールを用いた。第一のツールは、議論の論証構造を表している「Toulminダイアグラム(図形)」を描写するエディタを搭載しており、リフレーミングを検出する。第二のツールは「KeyGraph」を使用することで模擬調停の文字データの構造を分析する。そして、これはリフレーミングを話題転換と関連付けて、それを視覚化して検出する。我々はこれら二つの分析ツールを用いることによって実験を行った。実験の結果、我々は分析ツールが有効に活用できると手応えを感じており、今後さらに、検出精度を上げていきたい。(91~101頁所収)


64. Balance of Various Values in the Conciliation
Hayato HIRATA, Prof. Dr. iur., Asahi University
単著(英文)
2017 (平成29) 年9月27日刊行
Jogelméleti Szemle (Journal of Legal Theory) 2017/3 (September 27, 2017) pp.112~117.(http://jesz.ajk.elte.hu/, なお、http://jesz.ajk.elte.hu/2017_3.pdf はPDFファイルへの直接リンク)
 ※<ハンガリーのブダペスト・エトヴェシュ・ロラーンド大学(Eötvös Loránd Tudományegyetem (ELTE) / University of Budapest)が刊行する"AAA"クラス・アカデミック・ジャーナル「法理論雑誌(Journal of Legal Theory)」(HU, ISSN 1588-080X)>
Abstract
  The court brokered civil mediation is called "Civil Conciliation" and it is distinguished from the private initiative civil mediation. According to the Civil Conciliation Act, the civil conciliation can be classed 8 groups. And the civil conciliation is intended to resolve disputes over civil affairs in accordance with the rules of the reason and the circumstances of the disputes by a compromise between the parties. The ADR system called civil conciliation is not our country's original, but civil and family conciliation are common at the following points. Both systems are common to the point of planning resolution of disputes in accordance with the rules of reason and the circumstances of the disputes by a compromise between the parties. The considerable values in the civil conciliation can be organized as follows: (1) Justice, (2) Logic (Legal inference and value judgment), (3) Judgment criteria, (4) Exclusion of arbitrariness, (5) Equity, (6) A spirit of harmony, (7) Efficiency, (8) Rationality of dispute resolution, (9) Fairness, (10) Equality, (11) Appropriation. As a result of this research, I obtained the following conclusion. Balance of various values is important in the conciliation.
  Key words: ADR (Alternative Dispute Resolution); civil mediation; civil conciliation; the rules of the reason; justice; logic (legal inference and value judgment); judgment criteria; exclusion of arbitrariness; equity; spirit of harmony; efficiency; rationality; fairness; equality; appropriation


65. 紛争解決の基層にある法的価値体系
単著
2018 (平成30) 年3月20日発行
『朝日大学法学部創立30周年記念論文集』(成文堂、2018)

  世の中で生起する民事紛争を、平和的かつ合理的に解決するために、紛争解決の一般基準をすべての市民に与えることが民法の目的である。
  トポイ・カタログをはじめとして、これまでの研究で抽出してきた法価値を、「漏れダブりなく」また、法価値を扱った先人の研究者たちの見解も参考にして整理してきたが、法的トポス、法価値を漏れなくダブりなく体系化することは困難な作業である。本稿執筆中に、“Balance of Various Values in the Conciliation”という英文論文をハンガリーのブダペスト・エトヴェシュ・ロラーンド大学(Eötvös Loránd Tudományegyetem (ELTE) / University of Budapest)が刊行する"AAA"クラス・アカデミック・ジャーナル「法理論雑誌(Journal of Legal Theory)」(HU, ISSN 1588-080X)に投稿する機会に恵まれ、受理されて刊行された(Jogelméleti Szemle [Journal of Legal Theory] 2017/3 (September 27, 2017) pp.112~117.)。
  これまでの裁判所の民事調停委員としての自身の経験から法的な価値を考えた時、紛争解決の基層にある法的価値体系の重要性を再認識した。ロジカル・シンキングの立場から、法的価値体系をピラミッド構造的に分解して捉え、モレなくダブリなく(MECE)整理するようにチャレンジした本稿が、民事紛争を平和的かつ合理的解決するための、紛争解決の基層にある基本的な法的価値体系を解明し、そのことを通じて、民法の持つ大きな意味を考える契機となれば幸いである。」(137~193頁所収)


66.民法の基盤にある信義則
単著
2018 (平成30) 年3月30日発行
加藤新太郎・太田勝造・大塚直・田髙寛貴編著・加藤雅信先生古稀記念『21世紀民事法学の挑戦(上巻)』(信山社、2018)
  憲法がすべての法律の上位規範であるように、民法においても、民法総則の最初に位置する「通則」の規定は、民法の全規定の「ただし書き」であるかのように、民法のすべての規定の効力を制限し、解釈の基準を示す働きをしているということを、判例分析を通じて実証的に考究するのが本稿の目的である。
  拙著『信義則とその基層にあるもの』(平田勇人・法学博士論文)において、わが国およびドイツ、そしてCISG、UNIDROIT Principles、PECLにおける信義則理論に関する条文や学説を中心にして、信義則に基づく法的推論過程の分析ならびに、信義則の基層にあるものを検討した 。そこで抽出した法命題をいくつか列挙すると、「信義則は、明示・黙示を問わず、すべての条文の但し書きの中に存在する」、「信義則は、明示・黙示を問わず、常に各条文に存在する特別規定である」、「成文法と信義則とは相互に補完し合い、もし信義則がなければ成文法は機能不全に陥り、逆に成文法が充実していなければ信義則もその影響を受けるという表裏一体の関係にある」、「信義則はあるときは具体的事情に即して顕現し、またあるときは法律(民法・条約)全体について一般的に覆い被さってくる法の理念なのである」が挙げられる 。
 こうした理解に基づき、信義則が民法全体にどのように具体化されているのかを判例分析を通じて考察した(335~352頁)。


67. シンガポールにおける司法へのアクセス
単著
2018(平成30)年12月刊行
日本比較法研究所研究叢書116・中央大学出版会
平田は第10章(シンガポール)担当。
日本比較法研究所 共同研究G「司法アクセスの普遍化の研究」研究分担者として、シンガポール担当(2015年~2018年)。
   IT技術からさらに進化し、IoT及びビッグデータやAIによって、あらゆる事業・情報が、データ化・ネットワークを通じて自由にやり取りができるようになってきている。シンガポールの司法アクセスへの理念は、時代の先端技術を駆使し、積極的に挑戦することであるといえよう。IT技術、大容量のICT・IoT・AIを活用した技術、システム、サービス等を武器として展開を図っている。シンガポールは、政府自身が情報通信技術分野を有望な成長分野と認識して、国全体の情報化を強力に推進してきており、国民生活の情報化が進んだことから、コンピュータを媒介とした司法アクセスの充実へと繋がってきており、それも含めて執筆(389~429頁所収)。


68. 判例の論理構造モデルによる教育支援
共著(平田勇人・新田克己)
2019年2月刊行
第81回(2019年)情報処理学会全国大会・講演論文集(第2分冊:人工知能と認知科学)
  判例は読み込むには時間がかかり、判例間の比較が難しい。判例教育支援システムのHYPOとCATOにおいて、法分野ごとに判例を記述できるようになった。他方、法学の分野では判決の判断理由に使われる価値基準を列挙し体系化する試みがある。2つの方法を組合わせた判例の記述方法の提案と、その有効性を検証することを目的とする(77~78頁所収)。


69. 日本の民事調停の基層にある諸価値
単著
日中経営実務法シンポジウム(2017年)が、上海市の華東政法大学で開催され、そこで発表。
  報告の内容は、全て中国語に翻訳されて中国でも出版されます。
  日本においては、「経営実務法研究」第21号(2019年8月刊行)に掲載。
  日本では、「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」”Act on Promotion of Use of Alternative Dispute Resolution”(平成16年12月1日法律第151号)が存在する。このADR(Alternative Dispute Resolution)法は、ADRの利用促進のために制定された。しかし、日本の民事調停事件の新受件数は平成15年以降減少の一途をたどっており、そうした状況の中で、最高裁は調停の実質的な解決力を高める努力が必要であるとし、そのための新たな試みとして、①評議を充実させ、的確な事実認定を行う、②認定された事実を基に合理的な解決案を策定する、③この解決案を腹案として持ちつつ、当事者を説得調整するという方針を打ち出した。こうした、日本の最新状況を報告(経営実務法研究21号65~76頁所収)。


70. Analysis of Argumentation Skills for Argumentation Training Support
共著(Hayato HIRATA, Shogo OKADA, Katsumi NITTA)
Intelligent Computing: Proceedings of 2019 Computing Conference, Vol.1
査読あり
Switzerland: Springer Nature, 2019
pp.319-334
この出版物はAdvanced in Intelligent Systems and Computingシリーズ巻の997巻に当たり,人工知能等,最先端の研究が収録されている。平田は第1著者でAnalysis of Argumentation Skills for Argumentation Training Supportについて執筆した。


71. 法学における論理と説得~論理と心理の相互補完
共著(平田勇人、亀田研)
2019(平成31)年10月刊行
朝日大学法制研究所編論文集『正義論の現代的展開』
  タイ王国タンマサート大学法学部との国際共同シンポジウムで報告した「法学における論理と説得」論文を基に,平田・岡嵜・亀田の分担執筆での英文資料と,日本語の解説を掲載した(平田が第1著者:115~134頁所収)。


72.AIによる紛争解決支援
単著
TASK MONTHLY 537号
2020年9月
6~14頁所収。


73.オンラインADRの展望
単著
日本法社会学会・学会誌『法社会学』87号(有斐閣)
2021年4月
78~93頁所収。


74.ファクタと数理議論学に基づく労働判例の分析
共著(平田勇人、新田克己)
2021年5月刊行
社会情報学9巻3号1~16頁(査読あり)


75.心理的・法的側面からの社会的葛藤解決交渉~顔の表情の認知および表出の戦略および敵意帰属バイアスの解除
共著(亀田研、平田勇人)
分担執筆
2022年3月
経営実務法研究24号1~14頁。


研究報告・書評ほか

1.書評『不都合な真実』
単独
2010 (平成22) 年9月25日発行
全国大学生活協同組合連合会発行
 『明日を生きる私たちのためにー環境問題を読書する(Study in depth about environmental pollution, for all of our lives.)』(全国大学生活共同組合連合会、2010)の中で、アル・ゴア著『不都合な真実』(ランダムハウス講談社)の書評を平田が書き、環境教育問題への重要性を説いた(14・15頁所収)。


2.イギリスの裁判制度 ~ ケンブリッジ大学を通して見たもの
単独
2011 (平成23) 年1月20日
朝日大学法学会発行『法のいぶき』第25号
 2009年はケンブリッジ大学創立800年にあたり、またイギリスに最高裁判所が設置された記念すべき年でもある。平田はこの重要な年に、ケンブリッジ大学法学部から招聘されて留学した経験を基に、イギリスの裁判制度について紹介した。なお民事法(民法・民事訴訟法)が専門なので、本稿では民事法中心に説明した(3~16頁所収)。


3.書評『医療裁判から医療ADRへ~動き始めた新たな医療紛争処理システム』植木哲編著(ぎょうせい、2011)
単独
2011 (平成23) 年9月
法律のひろば第64巻9号
 法学研究科の同僚の植木哲教授の書かれた、植木哲編著『医療裁判から医療ADRへ~動き始めた新たな医療紛争処理システム』(ぎょうせい、2011年)の書評を、『法律のひろば』の中の「ひろばの書棚」掲載させていただいた(79頁)。植木教授の推進する、先進的な医療ADRの有用性と可能性について紹介した。


4.書評『医療裁判から医療ADRへ~動き始めた新たな医療紛争処理システム』植木哲編著(ぎょうせい、2011)
単独
2011 (平成23) 年9月
朝日法学第41号
 同僚の植木教授の書かれた、植木哲編著『医療裁判から医療ADRへ~動き始めた新たな医療紛争処理システム』(ぎょうせい、2011年)の書評をさせていただいた。植木教授の推進する、先進的な医療ADRの有用性と可能性について紹介した(91~96頁所収)。


5.変化への柔軟な対応を目指す調停技法
単著
2016 (平成28) 年3月31日発行
朝日法学論集第47号
 「中日民事訴訟法制度国際検討会」が2014年12月3日~4日に華東政法大学(中国上海)で開催され、本検討会の主催者の華東政法大学日本法研究センターから講演の依頼があり、平田は国際会議のテーマ「民事調停技法についての国際比較」について学会発表した。本学会では、中国語訳(平田勇人(著)、闕鳳華(訳)、李偉群(監訳))の講演資料を中心にして、日本の調停技法について中国語の通訳を交えて解説し、その後、多数の法律学者、弁護士等から質問を受け、それに対して中国語の通訳を通して応答する形で行われ、実りある国際会議となった。中国語訳の講演資料は、松浦好治・松川正毅・千葉恵美子編『加賀山茂先生還暦記念 市民法の新たな挑戦』(信山社、2013)に掲載された論文、平田勇人「当事者の視点に立った調停技法」(65~91頁所収)を、闕鳳華氏が中国語に翻訳し、華東政法大学の李偉群教授が監訳したものである。今回、朝日法学に掲載するに当たり、講演資料で中国語に翻訳されていなかった脚注ならびに参考文献等を曹星教授(元、朝日大学教授。現在、北京外国語大学教授)にも監訳していただいた。
  目次
  一 はじめに(日本語)
  二 中国の格言に見るリフレーミング(日本語)
  三 中日民事訴訟法制度国際検討会報告(中国語)
  四 おわりに
  参考文献(中国語)
  (121~152所収)。


6.法教育教材の絵本
共著
2016(平成28)年9月発行
 オノマトペ専門家の藤野良孝准教授(朝日大学)と、三角芳子氏(芸術家)との共著。法教育の重要性は言うまでもないが、子どもの頃からの法教育の重要性に共感した我々3人が、絵本として実験的に出版したものである。三角氏は東京藝術大学美術学部を卒業後、同大学院を修了し、在学中に短編アニメーションの世界に出会い、アニメーションをつくりを始め、卒業後デザインの会社で仕事をしながら、NHK(教育)で切り絵アニメーション「王さまものがたり」シリーズ制作を始めたことで有名。同作品で文化庁メディア芸術祭審査員推薦作品(2007,2008)、平山郁夫賞、国際瀧冨士賞、2007 文化庁メディア芸術祭 審査員推薦作品、2008 文化庁メディア芸術祭 審査員推薦作品、ask映画祭 2010大賞受賞、FANTOCHE animation festival 2010入選、KROK animation Festival 2010入選、ひめじ短編映画祭入選、札幌国際短編映画祭オフィシャルセレクション等、華々しい活躍をされておられ、法教育の教材として渾身の力をこめて「ぶっぶーっ」は完成された。オノマトペの藤野氏とのコラボでこうした作品を今後の研究に役立てたいと考えている(研究用の教材として製作したため、一般の書店では扱っていない)。


7. 法学部教員6名によるタイ王国・タンマサート大学法学部及び憲法裁判所の訪問記
単著
2019(平成31)年10月刊行
朝日大学法制研究所編論文集『正義論の現代的展開』
  タンマサート大学法学部との国際共同シンポジウム及びタイ王国憲法裁判所の訪問記について,下條芳明・平田勇人・出雲孝・新津和典・梶谷康久・亀田研の6名で報告・活動した記録を紹介した(1~12頁所収)。


8.東京工業大学の工学博士論文「ファクタと法的トポスを用いた議論文書の解析」(2021年4月30日学位取得)の学会誌による紹介
人工知能学会誌37巻1号(2022年1月)66頁(特集「人工知能分野における博士論文~博士論文に見る研究テーマの動向」)で、東京工業大学の工学博士論文「ファクタと法的トポスを用いた議論文書の解析」(2021年4月30日学位取得)を紹介していただきました。今後さらに精進してまいりたいと思います。


学会発表

1.哲学の基本的問題と民事訴訟法の関わりについて―禁反言への「言語分析」適用について―
単独
1987 (昭和62) 年3月17日
比較民事訴訟法研究会
 信義則は、民法1条2項等で明文化されている。ある意味では法と道徳の接点ともいえる。信義則を個別的法命題に類型化する議論と、メタ法価値論とを照らし合わせて考察すると、訴訟法レヴェルにおける研究方法と規範的法価値論・メタ法価値論との間に相関関係があることを明らかにした。そして、法価値論から信義則を眺めた場合に、信義則を分析哲学的手法で捉え直すことの有効性について強調した。

2.民事訴訟法と哲学の基本問題の関わりについて
単独
1987 (昭和62) 年11月7日
中・四国法政学会(1987年度第28回)私法部会
 民事訴訟法学における信義則分析の方法と、メタ法価値論・規範的法価値論との関わりについて明らかにした。すなわち、信義則を個別的法命題に類型化する議論と、メタ法価値論とを照らし合わせて考察した場合、異論の余地のない原理からの演繹か、経験に基づく帰納かのいずれかによらない推論は、主観的で恣意的と見る見方が強く働いている点を指摘した。そして、「一般条項への逃避」となる危険性についても言及した。

3.法的思考に関する一考察…禁反言を例にして
単独
1989 (平成元) 年7月30日
平成元年度中央大学法学部ゼミ夏期セミナー
 長野県蓼科高原温泉郷ホテルで開かれた中央大学法学部ゼミの夏期セミナーにおいて、法律家の思考を禁反言の分析を通して明らかにしようと試みた。このときセミナーに参加していたケンブリッジ大学教授から有益な助言をいただき、その後平成2年にケンブリッジ大学へ短期留学するための足掛りとなった発表である。特に、禁反言は英米法と大陸法とではその法的思考が異なっている点にも言及した。

4.民事訴訟における禁反言に関する一考察
単独
1989 (平成元) 年11月25日
中・四国法政学会(1989年度第30回)私法部会
 民事訴訟の分野で禁反言はどのように取り扱われているかについて発表した。なお、民事訴訟法においては、この時点では信義則は明文化されていなかったが、民法や商法における信義則についても言及した。民事訴訟においては、禁反言は信義誠実の原則(信義則)の一個別的法命題であると捉える考え方を紹介し、他の個別的法命題との違いや、あるいは、信義則の個別的法命題とは捉えない考え方などについても解説を加えた。

5.エストッペルの発達について
単独
1991 (平成 3) 年11月16日
中・四国法政学会(1991年度第32回)私法部会
 平成2年にケンブリッジ大学に短期留学した際に、フェンティマン教授の指導下で研究した25種類のエストッペルについて解説し、エストッペルの歴史的発達についても説明をした。イギリス法においては、明らかに大陸法であるドイツ法とは禁反言の捉え方が異なり、特に初期は少しの種類しかなかったものがその後、数多くのものへと増えていったが、その根底にある考え方は変わっていない点を指摘した。

6.憲法と訴訟手続
単独
1992 (平成 4) 年11月14日
中・四国法政学会(1992年度第33回)私法部会
 民事裁判と憲法との関わりについてまず訴訟と民主主義の関係について述べ、次に憲法による保障について取り上げ、さらに手続的正義の観点から考察して発表した。憲法31条を巡って、手続法定説、適正手続説、手続・実体法定説などの学説の対立があるがその背景にあるものについて考察し発表した。また、憲法32条の裁判と、憲法82条の裁判(公開・対審・判決)との関係について、通説と判例の見解の違いについて説明した。

7.信義則に基づく法的推論過程のメタルール抽出について―法律知識ベース構築のために
単独
1993 (平成 5) 年7月9日
平成5年度科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」第1回全体研究会議
 科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」は、国際取引法の明日をリードするウィーン売買条約(CISG)を研究分析対象とし、平田は、ウィーン売買条約第7条第1項(信義則規定)の分析を担当している。本報告は、研究項目C(法律知識ベースの構築)において、公募研究の研究課題と研究計画を報告した。特に今日までの自分の研究と本公募研究とのつながり並びに、法的トポスと本公募研究との関わりについて説明した。

8.信義則に基づく法的推論過程のメタルール抽出について―法律知識ベース構築のために
単独
1994 (平成 6) 年3月15日
平成5年度科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」研究成果報告会
 平田は、国際取引法をリードするウィーン売買条約第7条第1項の分析を担当。平成5年度においては、信義則の個別的法命題である禁反言に基づく法的推論過程のメタルールの抽出を行った。禁反言という法的トポス自体がすでに指針的役割を果たし、さらに禁反言の適用に当たって考慮しなければならない具体的諸要素こそが、禁反言に基づく法的推論を制御するメタルールと位置づけられる点に着目し、分析を行った研究成果を発表。

9.信義則に基づく法的推論過程のメタルール抽出について―法律知識ベース構築のために
単独
1994 (平成 6) 年7月1日
平成6年度科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」総括班主催全体会議
 科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」は、国際取引法の明日をリードするウィーン売買条約(CISG)を研究分析対象とし、平田は、ウィーン売買条約第7条第1項(信義則規定)の分析を担当している。平成6年度において、引き続き禁反言以外の信義則における個別的法命題を論理分析する計画や、現在の研究の途中経過について報告。特にトポイカタログの中で信義則の個別的法命題がいかなる位置にあり、どのように機能しているかについて言及した。

10.禁反言に基づく法的推論過程のメタルール抽出について
単独
1994 (平成 6) 年7月16日
中・四国法政学会(1994年度第35回)私法部会
 信義則の個別的法命題の一つと言われている禁反言に基づく法的推論過程のメタルール抽出について報告した。禁反言の適用に当たって考慮しなけれならない具体的諸要素の論理分析を通して、禁反言に基づいて法的推論が行われる場合の制御のメカニズムについて説明した。(平成5年度文部省科学研究費による研究の成果報告の一つである。)科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」は、国際取引法の明日をリードするウィーン売買条約を研究分析対象とする。

11.信義則に基づく法的推論過程のメタルール抽出について―法律知識ベース構築のために
単独
1994 (平成 6) 年9月24日
平成6年度科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」総括班主催中間報告会議
 科研費「法律エキスパート」は、国際取引法をリードするウィーン売買条約を研究分析対象とし、平田はウィーン売買条約第7条第1項(信義則規定)の分析を担当。今回の中間報告会議では、研究進展状況報告書に基づき、当初の研究目標と目標達成度、学会への貢献度、これまでの主な研究成果、研究を推進した上での問題点、今後の研究の取りまとめと方策、研究を取りまとめる上での問題点、研究成果公表の状況等について報告した。

12.法的推論過程のメタルールの抽出について―法律知識ベースの構築のために
単独
1995 (平成 7) 年3月17日
平成6年度科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」研究成果報告会
 平田は、ウィーン売買条約第7条第1項(信義則規定)の分析を担当している。平成6年度の研究成果報告書に基づき、Gerhard Struck教授が作成したTopoikatalogの中でも禁反言(平成5年度に研究)以外の、信義則と関連の深い法的トポスについて説明した。更に禁反言以外の、信義則の個別的法命題に基づく法的推論過程の論理流図と、それらの法的推論過程を制御するメタルールについて説明した。

13.法的推論と法的トポスの関係について
単独
1995 (平成 7) 年11月18日
中・四国法政学会(1995年度第36回)基礎法部会
 トポイカタログの中で信義則の個別的法命題が占める位置とその働きについて述べるとともに、法解釈の論理的操作の際に法的トポスがどのように機能するのかについて説明した。本報告のベースとなる知識は、国際取引法の明日をリードするウィーン売買条約(国際物品売買契約に関する国連条約)を研究分析対象とする、科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」で、平田がウィーン売買条約第7条第1項(信義則規定)の分析を通じて得られたものである。

14.ウィーン売買条約における信義則
単独
1996 (平成 8) 年7月30日
平成8年度科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」第1回全体研究集会
 科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」は、国際取引法の明日をリードするウィーン売買条約(国際物品売買契約に関する国連条約)を研究分析対象とし、平田は、ウィーン売買条約第7条第1項(信義則規定)の分析を担当している。信義則は平成10年から施行される新民事訴訟法に条文(同法第2条)が新設されたが、ウィーン売買条約における信義則と比較検討して、どのような相違点があるのかを詳しく説明した。

15.国際取引と信義則
単独
1996 (平成 8) 年10月14日
比較民事訴訟法研究会(中央大学駿河台記念館475号室)
 国際取引においては当事者の国籍、言語、慣習の面で障壁があり、また物流が国境を越えてなされ、さらに契約の内容、履行過程が複雑なため、悪意的当事者により翻弄される危険性が大きいため、信義則が重要性を増す点を中心に報告した。本報告のベースとなる知識は、国際取引法をリードするウィーン売買条約(CISG)を研究分析対象とする科研費「法律エキスパート」において、平田がウィーン売買条約第7条第1項(信義則規定)の分析を通じて得た知識である。

16.CISGにおける信義則への一考察
単独
1996 (平成 8) 年11月2日
平成8年度科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」中間報告会
 今日、多国籍企業間の国際取引が増大し、それに伴い、国連売買条約すなわちCISGはますますその重要性を帯びてきている。CISGとは、科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」が研究対象としている、国際取引法の明日をリードするウィーン売買条約(国際物品売買契約に関する国連条約)のことである。平田は、ウィーン売買条約第7条第1項(信義則規定)の分析をするため、CISGにおける信義則に関連する様々な考え方の紹介をした。

17.法的トポスと法律エキスパートシステム
単独
1997 (平成 9) 年2月21日
平成8年度科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」全研究成果報告会
 科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」は、国際取引法の明日をリードするウィーン売買条約(国際物品売買契約に関する国連条約)を研究分析対象とし、平田は、ウィーン売買条約第7条第1項(信義則規定)の分析を担当している。国際取引において重要な指針となるウィーン売買条約(CISG)における信義則をめぐる様々な知識の紹介をした。法的トポスはそれらの知識を格納する場所(フォルダ)のようなものである。

18.民事訴訟法における信義則について
単独
1997 (平成 9) 年7月19日
平成9年度科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」第1回全体研究集会
 本全体研究集会においては、新民事訴訟法に新設された信義則の明文規定(同法第2条)の説明を中心にして報告を行った。科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」は、国際取引法の明日をリードするウィーン売買条約(国際物品売買契約に関する国連条約)を研究分析対象とし、平田は、ウィーン売買条約第7条第1項(信義則規定)の分析を担当しているが、その分析を通じて得られた知識をベースとして、報告を行った。

19.信義則をめぐる背景知識の体系的整理
単独
1998 (平成10) 年3月21日
平成9年度科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」全研究成果報告会
 科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」は、国際取引法の明日をリードするウィーン売買条約(国際物品売買契約に関する国連条約)を研究分析対象とし、平田は、ウィーン売買条約第7条第1項(信義則規定)の分析を担当している。主に、平成8年度に抽出した信義則の背景的知識を、体系的に配列し直して整理した。信義則は民法をはじめビジネス法の大原則であり、我が国のビジネス法研究にとって参考とすべき点が多いと強調した。

20.信義則をめぐる背景知識の体系的整理(総括)
単独
1998 (平成10) 年10月9日
平成10年度科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」研究成果報告会・シンポジウム
 科研費(重点領域研究)「法律エキスパート」は、国際取引法の明日をリードするウィーン売買条約(国際物品売買契約に関する国連条約)を研究分析対象とし、平田は、ウィーン売買条約第7条第1項(信義則規定)の分析を担当している。平成5年度から9年度までの研究成果を見通す形で、最終研究成果報告書に基づき発表を行った。信義則は民法をはじめビジネス法の大原則であり、我が国のビジネス法研究にとって参考になると力説した。

21.企業の法律実務について
単独
1998 (平成10) 年11月19日
高松大学地域経済情報研究所主催・第5回研究会
 今回は、製造物責任について説明した。我々の周りにはおびただしい種類と数の製品が生産・流通しているが、製品に欠陥が存在した場合に、その欠陥が原因で消費者の生命、身体、財産に損害を及ぼした場合、製造業者や輸入業者はどういった責任を取らされるのか、またその責任の範囲はいかなるものか、アメリカ法における懲罰的損害賠償制度とは何か、被害者の立証項目、対象となる製造物、免責事由、製造物責任を負う期間、損害賠償の範囲、等について解説をした。

22.株主代表訴訟に係わる企業法務
単独
1999 (平成11) 年4月10日
日本ビジネス実務法研究会主催・第1回研究会
 株主代表訴訟が今日、脚光を浴びているが、株主代表制度の趣旨、手続の流れ、担保提供制度との関係についてまず解説をした。そしてさらに、そうしたリーガルリスクに対して、どういった対応をすればよいのかについて説明した。特に、株主代表訴訟に巻込まれないための方策として、①明白な違法行為の絶対禁止、②事実関係の調査に基づいた合理的な経営判断とそのプロセスがわかる関係書類の保存、が必要不可欠である点を力説した。

23.少額訴訟について
単独
2000 (平成12) 年7月29日
日本ビジネス実務法研究会主催・第6回研究会
 英米ではすでに、少額な民事事件を審理する制度が通常手続とは別にあり、奏効している。日本において1998年1月から導入された少額訴訟制度について、制度の概略とポイントになる点を説明した。特に簡易裁判所において30万以下の金銭債権を、原則1回で審理を終えて、即日判決を下す訴訟制度であり、本人自身で訴訟追行できることを説明した。また、少額訴訟判決に対する不服申立についても解説をした。

24.判例研究報告
単独
2001 (平成13) 年12月15日
日本ビジネス実務法研究会主催・第11回研究会(関西特許情報センター)
 「株主代表訴訟の被告取締役側への会社の補助参加が認められた事例」(最一小決平成13年1月30日判決、判時1740号3頁、判タ1054号106頁)について報告を行った。今回の報告をベースにして、中央経済社発行『ビジネス法務』2002年第2巻第4号100~104頁に掲載。最高裁決定理由にいう法的利益の意味、実質的に保護が目指されている利益、補助参加の利益に関する一般理論と株主代表訴訟における補助参加の肯否などについて検討を加えた。

25.民事訴訟法概論
単独
2003 (平成15) 年6月20日
関西特許研究会(日本弁理士会近畿支部・関西特許情報センター4階)
 1.民事訴訟法はなぜ改正されたのか、2.改正民事訴訟法と知的財産権、3.民事裁判審理の計画化と迅速化(①迅速な訴訟進行のための施策、②訴状、答弁書の充実、③特許権等に関する訴えの特別管轄の新設、④技術担当者の準当事者性、⑤争点整理手続準備の整備・拡充と集中証拠調べ、⑥証拠収集手続の拡充、⑦裁判所による相当な損害額の認定、⑧適時提出主義への転換、⑨不熱心な訴訟追行への対策強化、⑩情報通信技術の導入)、4.まとめ、といった内容で報告。

26.裁判外紛争解決制度(ADR)における諸問題
単独
2003 (平成15) 年7月5日
日本ビジネス実務法研究会第10回知的財産権研究部会(名古屋法律経済専門学校金山校2号館4階)
 1.裁判手続とADR、2.改正民事訴訟法と知的財産権、3.特許権等に関する訴えの特別管轄、4.技術担当者の準当事者性、5.その他

27.倒産法制の近時の動向について
単独
2003 (平成15) 年7月19日
第6回日本経営実務法学会(名古屋法律経済専門学校2号館3階)
 日本経営実務法学会「経営実務法レポート」において報告。本報告を基に、さらに加筆修正したものを学会誌「経営実務法研究」第6号(47~72頁)に所収。

28.証明責任論における 法命題創設(法創造)の重要性
単独
2006 (平成18) 年1月24日
 科研費・平成14年度~18年度特別推進研究(1)「法創造教育方法の開発研究―法創造科学に向けて─」(課題番号14001003)平成17年度1月研究報告会で報告。当日配布されたパワーポイント原稿資料に基づき報告(13シート)。

29. 判断における法的価値関数について―法創造教育への活用―
単独
2006 (平成18) 年10月13日
 科研費・平成14年度~18年度特別推進研究(1)「法創造教育方法の開発研究―法創造科学に向けて─」(課題番号14001003)平成18年度研究成果報告会予稿集(1-1~9頁所収)に基づいて、報告。この原稿の他、当日配布された日英対訳版のパワーポイント原稿資料もある(19シート)。



30.【最終成果報告会用・改訂版】判断における法的価値関数について―法創造教育への活用―
単独
2007 (平成19) 年3月15日
 科研費・平成14年度~18年度(特別推進研究)「法創造教育方法の開発研究―法創造科学に向けて─」(課題番号14001003)最終成果報告会シンポジウムで報告。同最終成果報告書(267~281頁所収)の原稿に基づき、成果報告を行った。



31.サイバーADR~インターネットを介した電子紛争処理システム
単独
2007 (平成19) 年7月21日
日本経営実務法学会2007


32.サイバーADR~インターネットを介した電子紛争処理システム
単独
2007 (平成19) 年8月23日
日中経営実務法シンポジウム(日本経営実務法学会・華東政法大学共催)


33.調停実務における法的価値判断について
単独
2007 (平成19) 年9月27日
東京工業大学21世紀COE「エージェントベース社会システム科学の創出」プロジェクトの第3部ループ「交渉エージェントと法システム」セミナー講演
 「交渉エージェントと法システム」平田勇人セミナー(9月27日)
 場所: 東京工業大学大岡山キャンパス 西9号館7階707室プログラム:
 平田勇人講演タイトル:「調停実務における法的価値判断について」
 講演概要:
 裁判所における調停現場から見た場合、調停委員の法的思考や価値判断は、もはや職人技に近いブラッボックス化された状態のままであってはならないと考えています。ブラックボックスから開放されることで、その高度専門的職人技に含まれる暗黙知の体系化が進み、法学教育やADRの実務、そして法交渉の自動化にも役立つと考えます。法律家やベテラン調停委員の洗練された洞察や直感といった脳高次機能のプロセスから、客観的な価値評価軸を抽出することこそが重要であるとの考え方に基づいて、日頃の民事調停実務における紛争解決事例における法的価値判断の価値評価軸を分析しつつ、法的価値関数という考え方を紹介します。複雑系であるが故にこれまで困難であると考えられてきた、法的価値判断のプロセスとその多様性がどのようにして現出するかを科学的に解明することこそが、法律エキスパートシステムや調停教育支援システムの更なる飛躍的発展へとつながると確信しています。


34.法律相談とコンピュータ
単独
2009 (平成21) 年11月28日
関西民事訴訟法研究会(エル・おおさか)
 法律相談に対してコンピュータはいかなる可能性を秘めているか。法律家は法律相談があれば相談者から事情聴取を行った後、事実を整理して法的な主張の検討を行い、対応方針の選択・検討を行うであろうし、もちろん相談者に対する説明も必要となるであろう。法律家の紛争解決に向けた総合的な法的推論(判断)は、実体法のみならず手続法の知識も動員して行われる。さらに、世界中がインターネットで結ばれ便利になった反面、音楽や映像等の記録媒体の海賊版がネット上で違法に取引されたり、その他、国境を越えた様々な紛争が増加したりしているのがIT社会の厳しい現実である。そうした中で、多様なニーズに応じた適正・迅速で実効的な司法救済を得られるための一つの方策として、法律人工知能やインターネットを活用した方法が考えられている。本報告はコンピュータの持つ可能性を、第一に法律人工知能の観点から考察する。第二にネットワークに接続された、オンラインADRを通して考察する。第三に、教育の現場でコンピュータをいかに活用できるか(調停教育等)について考察した。


35.国際取引における信義誠実の原則
単独
2010 (平成22) 年7月31日
日本経営実務法学会(大阪工業大学 大阪センター(大阪梅田))
 第13回日本経営実務法学会において、CISGに日本もようやく加盟し、今後、国際取引においてCISGはますますその重要性を増すといわれている。そうした中で、なぜEUに属する先進国イギリスがまだCISGに加盟しないのか、そうした疑問を抱きながら、昨年ケンブリッジ大学から招聘されて研究する機会に恵まれた。イギリスがCISGを批准しない理由はいくつか考えられるが、本報告においては、 ①Nathalie Hofmann,”Interpretation Rules and Good Faith as Obstacles to the UK's Ratification of the CISG and to the Harmonization of Contract Law in Europe,” 22 Pace International Law Review (2010) pp.145-181、 ②Sally Moss,”Why the United Kingdom Has Not Ratified the CISG,” 25 Journal of Law and Commerce (2005) pp.483-485、 ③Angelo Forte,”The United Nations Convention on Contracts for the International Sale of Goods: Reason or Unreason in the United Kingdom,” 26 University of Baltimore Law Review (1997) pp.51-66 の3論文を参考にして学会発表した。なお、当日の質疑応答を通して得られた成果を取り入れて、学会誌『経営実務法研究』に掲載予定。


36.イギリスの法律制度~ケンブリッジ大学を通してみたもの
単独
2010 (平成22) 年9月27日
名古屋地方裁判所・一宮簡易裁判所調停委員講習会(名古屋地方裁判所一宮支部大会議室)
 本報告発表は、昨年ケンブリッジ大学に留学した成果の一部を発表したものである。イギリス連合王国(United Kingdom)内では、イングランド及びウェールズ、スコットランド、北アイルランドの3地域において固有の司法制度が存在している。本報告にいうイギリスとは、イングランド及びウェールズを指す。報告資料に基づき、1.イギリスの裁判所組織(イギリスには、貴族院(House of Lords)、控訴院(Court of Appeal)、高等法院(High Court of Justice)、刑事法院(Crown Court)、県裁判所(County Court)、治安判事裁判所(Magistrates' Court)の6種類があり、他に、特別裁判所(検屍官裁判所、軍事裁判所、公正取引裁判所、教会裁判所等)について説明した。2.イギリスの裁判官・裁判所職員等(裁判官の内訳として、大法官(1人)、常任上訴貴族(12人)、イングランド首席裁判官(1人)、記録長官(1人)、家事部長(1人)、副大法官(1人)、控訴院裁判官、高等法院裁判官、マスター、巡回裁判官、嘱託裁判官、非常勤裁判官、地方判事、非常勤地方判事、有給治安判事、無給治安判事があることを資料に基づき説明した。次に、裁判所職員等(職員、書記官、執行官)について報告説明した。3.イギリスの法曹養成制度(バリスター(法廷弁護士)とソリシター(事務弁護士)の分類や、インズ・オブ・コート(Inns of Court/法曹院)が4つあることの説明を行った。さらにソリシターの団体としてはロー・ソサイエティ(Law Society)があり、ソリシターの資格要件、養成手続その他ソリシターの活動について規則を定める権限を有していることを説明。学識課程、専門的職業課程、実務研修についても報告した。4.イギリスの民事裁判手続とADRについて報告した。しかる後、参加者からの質疑応答をした。


37.コンピュータによる調停支援の可能性
単独
2011 (平成23) 年7月30日
日本経営実務法学会(大阪工業大学 大阪センター(大阪梅田))
 本報告発表は、調停委員の役割、3つの調停技法(パラフレイジング、リフレーミング、オープン・エンド・クエスチョン)、とその具体例について発表し、コンピュータによる調停支援の可能性について論じた。


38.家事審判法から家事事件手続法へ
単独
2012 (平成24) 年7月28日
日本経営実務法学会(大阪工業大学 大阪センター(大阪梅田))
  家族関係の紛争は、家裁が非公開の手続で、職権主義の下で具体的妥当性を図りながら処理することが可能な仕組みになっている。家裁は後見的な見地から、紛争解決に当たって、プライバシーに配慮しつつ柔軟な解決を目指してきた。ただ、調停前置主義(人事訴訟にいきなり進むのではなく、まず家事調停を行なって話し合う仕組み)となっているため、家裁の家事調停が不調に終わり、改めて人事訴訟によって解決したい場合に、これまでは家裁ではなく地方裁判所に訴訟を起こさなければならない等の問題もあった。 しかし、平成16年から人事訴訟法の施行に伴い、夫婦、親子等の関係をめぐる訴訟についても家裁の管轄になり、家事調停も人事訴訟も家裁に一本化されたのである。さらに家裁では、関連請求の併合(人訴17条:人事訴訟に関連する損害賠償請求の審理が、家裁でできる)や附帯処分(人訴32条:離婚訴訟において、子の監護者を指定したり、財産分与を決めたり、あるいは養育料の支払いなどについても併せて裁判を行なうことができる)も1つの訴訟で同時に審理可能になった。また現在、家事審判法から家事事件手続法(平成25年に施行)へと移行して,新たな法律の下で紛争処理がなされる意味について報告した。


39.クレーム対応の仕方
単独
2013 (平成25) 年3月3日
村上記念病院総合健診センター職員研修会(西館1階)
  クレーム対応の実際と,対応方針の戦略・戦術の検討,基本方針の重要なポイント,医療行為の法律上の位置づけ,病院側で行うべきこと,クレームへの対応等について,詳しく説明した。


40.Environmental Dispute Resolution from Mediation (or Conciliation)
単独
2013 (平成25) 年5月27日
International Conference 2013 "Development of Environmental Education and Dispute Procedure"
Organizede and published by Chung Ang University, and supported by Korea Environmental Industry & Technology Institute.
Place: International Seminar Hall, Graduate School Building, 3th floor
  韓国の大学から招待され、国際シンポジウムで英語で報告を行った。日本においてソーラー発電等の代替エネルギーをめぐる紛争をいかに解決するか、ADRの立場から解説するとともに、朝日大学法学部や大学院で、東京工業大学(新田研究室)で開発されている最先端のシステムを使ってどのように教育しているか、そして今後の環境教育のあり方について報告(英文報告資料:1~18頁所収)。


41.調停技法について: リフレーミングを中心として
単独
2014 (平成26) 年12月3~4日
上海市万航渡路1575号 華東政法大学日本法研究センター
華東政法大学日本法研究センターの招待で、上海で講演し質疑応答の時間もとり、中国の研究者や実務家の弁護士たちと交流を深めた。「中日民事訴訟法制度国際検討会」が華東政法大学(中国上海)で開催され、本検討会の主催者側が華東政法大学日本法研究センターであった。本国際会議のテーマは「民事調停技法についての国際比較」。中日民事訴訟法学者間の交流及び協力を促し、民事訴訟法制度及び法学理論の進歩を推進するため、主催者(日本法研究センター長:李偉群教授)から本検討会の参加の依頼があり、大変充実した国際検討会であった。中国語に私の原稿は翻訳され、通訳が付いての発表であった。


42.対立する議論における議論スキルの評価手法の提案
共同 (松田章洋[東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻]、平田勇人、 岡田将吾[東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻]、 新田克己[東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻])
2016(平成28年)6月8日15:20〜17:00 F会場(国際会議場 31会議室)
2016年度 人工知能学会 3F4 基礎・理論「コミュニケーション支援(1)」


43.「裁判所の調停実務における議論のあり方」
単独
2016(平成28)年7月22日
国際高等セミナーハウス(長野県軽井沢)
公募型共同研究・会合公募(東条敏)の「法情法学を語る会」において、1.はじめに(民事調停制度へのアクセスの改善、電話会議システムと本人確認の問題)、2.当事者のニーズの変化(対話による互譲から来る当事者の不満、調停委員会の紛争解決指針を示して欲しいとの当事者からの要求、調停に代わる17条決定の持つ意味)、3.裁判所のある試み(裁判官と、初期の段階から事前打ち合わせを行ってから民事調停に臨むことの有効性)、4.調停の場での議論のあり方(トゥールミン図式の持つ力) について発表したあと、質疑応答を行った。東京大学教授、東京工業大学教授、など参加者から貴重な質問、アドヴァイスを得ることができた。


44.日本の民事調停の基層にある諸価値
単独
2017(平成29)年9月14日
日中経営実務法シンポジウム2017(上海市・華東政法大学)
  日本経営実務法学会20周年記念として、日中経営実務法シンポジウムが中国・上海(華東政法大学)で開催された。報告の内容は、全て中国語に翻訳されて中国で出版されます。日本においては、「経営実務法研究」(2017年版)に掲載されます。
  日本では、「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」”Act on Promotion of Use of Alternative Dispute Resolution”(平成16年12月1日法律第151号)が存在する。このADR(Alternative Dispute Resolution)法は、ADRの利用促進のために制定された。しかし、日本の民事調停事件の新受件数は平成15年以降減少の一途をたどっており、そうした状況の中で、最高裁は調停の実質的な解決力を高める努力が必要であるとし、そのための新たな試みとして、①評議を充実させ、的確な事実認定を行う、②認定された事実を基に合理的な解決案を策定する、③この解決案を腹案として持ちつつ、当事者を説得調整するという方針を打ち出した。こうした、日本の最新状況を報告。


45.マルチモーダル情報を利用した議論エージェント
共同 (濱田貴大*1,長澤史記*1,石原卓弥*1,平田勇人*2,岡田将吾*3,新田克己*1 *1 東京工業大学,*2 朝日大学,*3 北陸先端科学技術大学院大学 )
2017(平成29)年12月12日
金沢歌劇座(HAIシンポジウム2017年・シンポジウム会場)


46.法学における論理と説得(Logic and Persuasion in the Law)
平田勇人・亀田研
2018(平成30)年9月3日
タンマサート大学
 今回の海外出張の目的は、タイ王国タンマサート大学法学部との国際共同シンポジウム(テーマ:Development of Justice in Thai and Japanese Perspective)に参加し、本学法学部とタンマサート大学法学部との国際親善および学術交流の促進を行うことにあった。タンマサート大学はタイ王国で2番目に古い国立大学であり、日本の大学とも多くの協定を結んでいる。教員の質も非常に高く、タンマサート大学側のコーディネーターを務めていただいたソラアト・ナパット助教授は、日本で博士号を取得されており、日本語および日本法に卓越した知見をお持ちであった。今回の海外出張の進行は、事前に提出されたスケジュールに概ね沿うものであった。9月3日の午後の部(会場:タンマサート大学)では、「法学における論理と説得(Logic and Persuasion in the Law)」というタイトルで、平田勇人、岡嵜修(平田が代読)、 亀田研講師の分担執筆での英文資料を、平田、亀田講師が連続して英語で発表を行った。法哲学、民事手続法、心理学の接点にて生じる諸問題を論理と心理の相互補完の観点から論じた。岡嵜教授の「法学をプラグマティックに考えると論理以上に心理が必要であり、論理は説得のための道具である」との報告を平田が代読した。
 平田は「人間は目測や勘というものを重視し、裁判の心証形成、事実認定には法的直感に従って結論を出す視点、また最近のベイズ統計学を用いた数理工学応用の観点」から報告を行った。
 亀田講師は「統計学および心理学の視点から人間の直感による誤りを補正する役割としての統計学、人間の誤りやすさとしての認知バイアスを紹介し、法学と心理の相互補完の必要性」を訴え発表を終えた。
 ※なお、タンマサート大学でのシンポジウムの翌日、タイ王国憲法裁判所(最高裁より上位)の法廷および展示室を案内していただいた(この長時間の歓待は予想外であったため、行政裁判所等、その他の午後の視察スケジュールは幾分割愛となったが、憲法裁判所判事や事務局長とのシンポジウムは予想外であったが、最高裁の上位にある憲法裁判所判事らとのシンポジウムも大変有意義な時間であった)。


47.判例の論理構造モデルによる教育支援
共同(平田勇人・新田克己)
2019(平成31)年3月16日
学会会場:福岡大学・七隈キャンパス
第81回(2019年)情報処理学会全国大会・講演論文集(第2分冊:人工知能と認知科学 2-77~78頁所収)。
判例は読み込むには時間がかかり、判例間の比較が難しい。判例教育支援システムのHYPOとCATOにおいて、法分野ごとに判例を記述できるようになった。他方、法学の分野では判決の判断理由に使われる価値基準を列挙し体系化する試みがある。2つの方法を組合わせた判例の記述方法の提案と、その有効性を検証することを目的とする。


48. 法的意思決定における認知バイアス ~ AIとの協調を目指して
共同(平田勇人・亀田研)
2019(平成31)年8月4日
大阪リバーサイドホテル
第22回日本経営実務法学会
「法的意思決定における認知バイアス~AIとの協調を目指して」というテーマで,亀田研(第1著者)・平田勇人で共同発表した。今後のAI研究において,認知バイアスの問題は避けて通ることができない重要な問題であり,今後さらに共同研究していきたいと報告した。


49.
Analysis of Argumentation Skills for Argumentation Training Support
単独発表
Computing Conference2019
London MariottRegents Park
 Argumentation Agentを利用して教員の負担を軽減する手法や,ゴミ屋敷問題をテーマにした議論実験を紹介し,その実験結果からfeature patternsとscoresの相関関係を分析するためmultiple regression analysisを行い,そこで得られた回帰式から議論評価の手法を提案した。


50. ゴミ屋敷問題における説得と交渉の分析~人工知能の活用可能性
単独発表
2022(令和4)年11月5日
2022年度 第15回 日本説得交渉学会研究大会(オンライン)


その他

<公開講座・講演等>
1.やさしい暮らしの法律
単独
2000 (平成12) 年9月22日
高松大学生涯学習教育センター主催・香南町民大学
 香川県香川郡香南町の町民大学において、今回は日常生活のなかで発生するさまざまな民事紛争をいかに解決するかについて講演した。特に、民法における相隣関係の問題等で、個別具体的な設問を提示し、その設問の答を言う前に、受講している方に考えてもらい、しかる後に解説をするといった形で進めた。なお、最後に質疑応答の時間を設け、民事紛争に関するさまざまな問題について、時間の許す限り答えていった。

2.やさしい暮らしの法律
単独
2001 (平成13) 年9月14日
高松大学生涯学習教育センター主催・内海町民学習センターむとす館
 香川県小豆郡内海町の町民大学において、今回は相続法の話をした。まず、相続法一般における話をした後で、個別具体的な設問を提示し、その答を言う前に受講している方に考えてもらい、しかる後に解説をするといった手法で進めた。なお、最後に質疑応答の時間を設け、相続に関して出された質問に答えていったが、相続以外にも生活やビジネスに関する質問がいくつか出され、受講者の法律問題への興味の度合が高いことが分かった。

3.暮らしの法律
単独
2001 (平成13) 年11月
高松大学生涯学習教育センター主催・高松短期大学
 「暮らしの法律」と題して、11月7日から毎水曜日の3回、社会人を対象にして公開講座を行った。今回は、ビジネスのなかでも、独占禁止法等の問題を取り上げた。不公正な取引が私たちの暮らしにどのような影響を及ぼすのか、個人という視点で講義した。そして、独占禁止法以外に、下請法(下請代金遅延等防止法)や景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)についても触れた。国際取引についても言及し、公正な取引の重要性について訴えた。

4.岡崎市民カレッジ大学開放講座
単独
2002 (平成14) 年9月
岡崎市教育委員会主催・会場:愛知産業大学・愛知産業大学短期大学
 「企業と社会」という講座名で、愛知産業大学経営学部の6名の教授がそれぞれ個別テーマで講演。平田は6回の講座のうち、第4回目に講演し、「企業とリーガルリスク・マネジメント」というテーマで話しをした。リーガルリスク・マネジメントの概念を説明した後、株主代表訴訟に係わるリーガルリスク・マネジメントについて説明した。

5.法的危機管理
単独
2003 (平成15) 年6月13日
国際ロータリークラブ2670地区小豆島ロータリークラブ・会場:ホテルニュー観海
 「経営の危機管理の要諦」と題して、アメリカの統計学者のハインリッヒの1:29:300の法則を紹介し、破産や倒産に至るまでの兆候を人・物・金の順に、箇条書方式で説明。そして、リーガル・リスク・マネジメントの重大性を強調した。

6.岡崎コミュニティサテライトオフィス開講講座
単独
2004 (平成16) 年6月3日
会場:岡崎コミュニティサテライトオフィス
 愛知産業大学経営学部に新しく開設された経営環境学科の、法律をテーマとした講座(「経営環境学科セミナー」)。平田は「財産と法」というテーマで、具体的事例を交えながら解説した。

7.岡崎コミュニティサテライトオフィス開講講座
単独
2004 (平成16) 年11月4日
会場:岡崎コミュニティサテライトオフィス
 愛知産業大学経営学部に新しく開設された経営環境学科の、法律をテーマとした講座(「経営環境学科セミナー」)。平田は「企業紛争と法」というテーマで、具体的事例を交えながら解説した。


8.愛知産業大学・経営環境講演会(経営学部主催)「テーマ:企業の社会責任を皆で考えよう」
単独
2005 (平成17) 年10月22日
 ここ数年、企業の不祥事が相次いで発覚し社会問題となっている。そうした中で企業の社会的責任という概念がクローズアップされるようになった。第13回原山祭で行われた経営環境学科の講演会は、「企業の社会的責任を皆で考えよう」と題して開催された。平田は、「法的側面から見た企業の社会的責任論 ~製薬会社の法的責任との関わり~」というテーマで、まず企業の社会的責任(CSR)の概念や注目されるようになった経緯について解説した。CSRは、企業活動のグローバル化や、企業の不祥事の多発化に伴って注目され始めた。こうした背景により、コンプライアンス(法令遵守)を軸とした誠実な企業経営に加え、ステークホルダー(株主、消費者、取引先、従業員などの利害関係者)との積極的な関係構築によって、新たな企業価値創造を目指す取り組みも求められるようになったと説明した。しかし、企業の社会的責任は、法律の立場からはその概念が不明確であるため経営者の裁量を広げる恐れがあるとして警戒感を持たれてきた。ここで、製薬会社の「治験」を例に挙げ、「未知の副作用」の発生に対し法的責任は問われないと指摘した。未知の副作用は予測できない副作用であり、製薬会社は「未知の副作用」の調査のために「治験」を実施している側面も否定できない。製薬会社が法的責任を問われるのは、薬物に異物混入などの「製造物責任」と、既知の副作用に対して適切な予防処置をとらなかった場合である。このように企業の社会的責任には法的拘束力はない。しかしながら、企業活動には大きな影響を及ぼし始めている。法的な側面からはまだまだ不透明ではあるが、社会的責任と法的責任は、これからの企業経営のあり方に大きな影響をおよぼすファクターであることを訴えた。


9.朝日大学法学部・大学院法学研究科公開講演会
単独
2006 (平成18) 年11月25日
会場:朝日大学5号館 513講義室
 平田は、「インターネットを利用した調停実務の展望について」というテーマで講演した。はじめに、ADRとはなにかについて説明した後で、①なぜインターネットを利用するのか、②どういった効果を期待できるのか、③通常の調停との関係はいかなるものかについて解説した。その際、シンガポールのe@dr(オンラインADR(裁判外紛争解決制度))について紹介した。シンガポールのADRは、電子裁判外紛争解決制度(e Alternative Dispute Resolution:略称はe@dr)と呼ばれ、e@drセンターが担当している。わが国への今後の展望として、オンラインADRのユーザは今後、その裾野を広げてくるものと思われる。なぜなら、オフラインで弁護士に相談したり、裁判所に出向いて提訴したりすることはユーザにとって心理的・時間的・経済的負担が大きいからであると結んだ。


10.朝日大学法学部研修会
単独
2009 (平成21) 年12月9日
会場:瑞穂市 井桁屋
 平田は「石と木の文化の融合」というテーマで報告した。1990年にケンブリッジ大学に滞在して以来、20年ぶりにケンブリッジの地で研究する機会を得させていただき、その留学生活の中で感じたことを「石と木の文化の融合」と題して発表した。イギリスは新しい火山や地震がほとんど無いため、山が低くて平坦な土地が多いといった特徴がある。森林被覆率を比較すると、日本が67%であるのに対して、山の少ないイギリスではわずか10%である。それゆえ、イギリスは石の文化、日本は木の文化が発達したといわれている。地震がほとんどないイギリスでは、石やレンガ造りのキャンパス、教会が印象的であった。古い建物を日本のように文化財として使わずに保存するのではなく、イギリスでは古い建物を今も実際に利用しながら大切に守り続けている。また、日本と違って 建物が道にそって曲がっていることも驚きであった。一般に言われている「ヨーロッパ=石の文化」、「日本=木の文化」という図式は実は正確ではないことを指摘した。イギリスの建築思想ではエクステリアとインテリアの概念が定着している。家具や床などはしっかりとした木製のものでしつらえるのが、伝統的なイギリス流の考え方である。代々立派な家に住むような家系の人々は、家具も代々引き継いでいる。また、キャンパス内のケム川をまたぐ橋や、床、階段の手すり、そして一般家庭の塀や、電柱などにも木材が多く使用されていることを考えると、イギリスは石と木の文化が見事に調和しているといえるであろう。他方日本においても、伊勢神宮のご正宮を参拝する際の石の立派な階段や、京都府京都市右京区にある臨済宗妙心寺派の寺院である龍安寺の石庭は世界的に有名である。日本においても、石の文化と木の文化が見事に融合している。このように、一見異質なものが調和していることの中に、美のイデアがあるといえよう。法律においても、英米法と大陸法という異質なものが、現在融合されつつある。様々な個性や歴史的背景を持った人間どおしが、お互いにその長所を伸ばしながら調和することの大切さをアピールした。


11.岐阜県主催 第2回消費生活相談員等レベルアップ研修会
単独
2010 (平成22) 年8月20日
会場:県民ふれあい会館5階大研修室
 平田は、「訴訟、調停等の手続きに関する知識」というテーマで講師を務めた。


12.岐阜県主催 一般県民向けの消費生活講座
単独
2010 (平成22) 年10月9日
会場:セラトピア土岐
 平田は、民法の契約、債権に関して自著[共著]の『アクセス法学』(嵯峨野書院)をベースに報告。


13.大垣共立銀行主催 第19回フロンティアセミナー
単独
2010 (平成22) 年10月14日
会場:朝日大学1号館第4大講義室
 平田は『賢い債務者』というテーマで、消費者金融・クレジット会社との過払い金を巡るトラブル解決法等について報告。


14.瑞穂市社会福祉協議会主催 平成23年度悪質商法撃退講座
単独
2011 (平成23) 年6月25日
会場:瑞穂市総合センター5階第4会議室
 平田は、「民法(債権)」の立場から報告した。


15.平成23年度朝日大学法学部・経営学部オープンキャンパス
単独
2011 (平成23) 年8月4日
会場:朝日大学6号館模擬法廷実習室
 法交渉理論などについて説明。


16.朝日大学公開講座2012
司会,報告,パネルディスカッション
2012 (平成24) 年8月25日
会場:瑞穂市総合センター大ホール
 「動き始めた新たな医療紛争処理」という統一テーマの下で,司会をした。
 そして,単独報告「望ましい医療紛争解決を目指して」を行った。
 さらに,三重大学人文学部長の樹神成教授と横山貴之弁護士との3名でパネルディスカッションを行った。


17.朝日大学公開講座2013
座長
2013 (平成25) 年9月14日
会場:瑞穂市総合センター大ホール
 「労働契約の多様性」という統一テーマの公開講座で,座長を務めた。


18.朝日大学公開講座2014
座長
2014 (平成26) 年9月13日
会場:瑞穂市総合センター サンシャインホール
 2014年度朝日大学公開講座(第2週)が「日本国憲法の諸問題」をテーマに開講され、座長を務めた。


19.教育の質的転換に関する法学部&大学院法学研究科の取組状況や学生の学修時間の現状の共有
単独
2014 (平成26) 年7月16日
平成26年度私立大学等改革総合支援事業に係るSD研修会(朝日大学歯学部大講義室)
  私立大学等改革総合支援事業については、全学的な取り組みを行っているところであるが、平成26年度においては、「全学的な教学マネジメン体制の構築」にあたり、SD研修会が実施された。  大学、特に私立大学には何を目的として設立されたかという目的・使命があり、それを「建学の精神」として掲げている。朝日大学の建学の精神は、国際未来社会を切り開く社会性と創造性、そして人類普遍の人間的知性に富む人間を育成すること。文系の学部の1年生は「建学の精神と社会生活」という授業の中で、朝日大学が目指す人材育成を理解し、キャリア形成のために意識付けを行っている。本講演において、平田は法学部長として、法学部(大学院も含む)独自の取り組みを紹介した。


20.朝日大学大学院法学研究科の現状について
単独
2015 (平成27) 年3月24日
平成27年度第1回大学院FD研修会(朝日大学6号館5階6501講義室)
 各大学院研究科の概要を30分程度報告し、質問等に答えた。この大学院FD研究会は、他研究科に如何なるスタッフがおり、どのような研究を行っているかの情報共有により、今後、共同研究等、協力を模索するため、基本的には各研究科長が担当して報告した。
 大学院法学研究科では、法学研究科長の平田が報告を行った。


21.リフレーミングが企業を変える~固定観念(フレーム)を打ち破ろう!
単独
2015 (平成27) 年10月21日
2015年度 朝日大学「講演と懇親の会」(名古屋マリオットアソシアホテル)
 岐阜県、愛知県の企業・団体様を中心に、300名の役員の方々、人事担当者の方々が参加。第一部では、法学部長でもある平田勇人が『リフレーミングが企業を変える~固定観念(フレーム)を打ち破ろう!』をテーマに講演した。経営環境が厳しくとも、逆風の中でも着実に市場開拓に成功している企業が存在する。立地の悪さ(固定観念)を視点の変化によって撥ね返したり、衰退していた事業(ある観光バス事業)を別の視点から見直してV字回復を果たしたり、ありふれた商品をポジティブな視点からシュレッダー・ハサミに変えてヒット商品にしたりと、市場開拓できる可能性は必ずある。法律家(特に調停委員)が使っているリフレーミングの手法を用いて、ビジネスの可能性を制限している思考の枠組みを外し、市場の流れを変えるメカニズムをわかり易く説明した。
パワーポイント資料23シート


22.医療ADR~裁判外紛争処理
単独
2015 (平成27) 年10月25日
朝日大学歯学部同窓会静岡県支部総会講演会(静岡クーポール会館)
 ADR(Alternative Dispute Resolution)について、特に歯科医療裁判と歯科医療ADRの違いは何かについて説明。その後、裁判とADRはどちらが得かについて説明した。そして、1.歯科医療裁判の6つの問題点を紹介、2.歯科医療ADRの具体例を紹介、3.ADRにおいて用いられる「リフレーミング」の紹介 という順に解説し、その後、質疑応答の時間を設けた。
パワーポイント資料27シート


23.当事者の視点に立った調停技法 ― 調停支援システムの活用の可能性について
単独
2016(平成28)年11月29日
愛知県民事調停協会連合会 創立65周年記念大会での基調講演 名古屋東急ホテル(3Fバロック)
 調停のあり方、基本的な調停技術である 傾聴(Active Listening)、パラフレイジング(Paraphrasing)、リフレーミング(Reframing)、オープン・エンディッド・クエスチョン(Open-ended Question)、クローズド・エンディッド・クエスチョン(Closed-ended Question)について説明した後、具体例を挙げながら説明した。特に、リフレーミングについては、「人間万事塞翁が馬【淮南子(えなんじ)・人間訓】、推枕軒の中、雨を聴きて眠る【元の僧、熙晦機の詠んだ漢詩】」がリフレーミングの具体例であり、リフレーミングは単にネガティブな発想をポジティブな発想に転換する技術ではなく、むしろ、運不運に一喜一憂せず、様々な出来事をあるがままに受け入れるしかないという鷹揚な発想であることを主張した。さらにこの格言の根底にあるリフレーミングの考え方は、幸福な時にも舞い上がらず、不幸な時にも投げやりにならず、しなやかに発想を転換する強さを生み出すものであり、城塞に住む老人の馬がもたらした運命は、福から禍へ、そして禍から福へと、予測のできない変化をもたらしたが、こうした変化に柔軟に対応する技術こそがレフレーミングの本質であることを解説した。そのほか、家裁調査官の飯田氏の開発した実践的な調停技法((a) 枠づけした質問、(b) 横に広がる質問、(c) 縦に広がる質問)や、メタモデルと呼ばれる質問法、可能性を拡げるための質問(独立型と依存型)、心理学の領域では先端的アプローチで知られる解決志向のアプローチ(Solution-Focused Approach)について解説したのち、東京工業大学大学院の新田研究室で開発された調停支援システムについて紹介した。このシステムは、リフレーミングを行うタイミングとその分類を検出して、それを出力することが出来る。ユーザが議論ログを入力して、それにタグ付けする時、システムがリフレーミングの箇所と種別を出力するという仕組みである。90分の基調講演の持ち時間のうち、70分を使ってパワーポイント22シート分を使って発表し、残りの20分で質疑応答の時間を設けた。
パワーポイント資料22シート


24.弁護士業務のIT化とその先にあるもの
単独
公益財団法人日弁連法務研究財団主催、関東弁護士会連合会・東京弁護士会・第一東京弁護士会・第二東京弁護士会共催
2019年3月9日(土)13:00~17:00
弁護士会館2階講堂クレオ
 日弁連法務研究財団では、特定の法律分野に関する専門性をより高めることを目的として、定期的に専門家研修を開催しており、本年度については「ITと弁護士」をテーマに、下記のとおり研修会が行われた。裁判手続のIT化は、その一部が本年中にも実現される喫緊の問題であり、平田は法律人工知能の立場から講演したのち、シンポジウムに登壇した。
プログラム
1.基調講演①「民事裁判手続等IT化研究会における検討状況」講師 山本和彦 教授(一橋大学大学院法学研究科)
2.基調講演②「諸外国における裁判手続のIT化」講師 杉本純子 准教授(日本大学法学部)
3.基調講演③「弁護士業務のIT化とその先にあるもの」講師 平田勇人 教授(朝日大学法学部)
4.ミニ・シンポジウム「IT化の議論とAIが弁護士業務に与える影響」パネリスト
           山本和彦 教授(一橋大学大学院法学研究科)
        杉本純子 准教授(日本大学法学部)
        平田勇人 教授(朝日大学法学部)
        鈴木 誠 弁護士(日弁連法務研究財団理事)
           コーディネーター 高須順一 弁護士(日弁連法務研究財団常務理事)



戻る