顎関節症症状で関節雑音のみを持つ者に対しては,積極的な治療を成すべきか,どうかということを判断する根拠が欲しい. そこで,軽度顎関節雑音を自覚している,あるいは以前に自覚したことがある者を12ヶ月間経過観察した結果, 雑音が消失あるいは小さくなっていった者が多かった反面,症状の悪化(雑音が大きくなった,疼痛発現)していく者も 少数ではあるが存在した. よって,雑音のみを有する者に対して,積極的な治療を行わない場合でも,経過観察の必要性が確認できた.